インパクトドライバーとドリルドライバーは、見た目は似ているが中身はかなり違います。
今回はこの2種類の電動工具の違いを説明します。
インパクトドライバーとドリルドライバー 違いは何?
ドリルドライバー(電動ドリル)とインパクトドライバーの違い、私も昔はわかりませんでした。
だからインパクトドライバーでやるべき作業をドリルドライバーでやってしましました。
その結果、1台目のドリルドライバーを壊してしまったのです。
今では違いをよく理解しています。
でもインパクトドライバーとドリルドライバーの違いを理解するのは結構大変なんです。
私はカタログやネットの情報で地道に調べました。
もちろん今は両方使っているので違いはよく理解しています。
せっかくの知識なので、これから電動工具を買う初心者の方にわかるように記事にしています。
誰も教えてくれないインパクトとドリルの違い。
ホームセンターに行くと電動工具売り場に「コレ最高!」とか「パワーがすごい!」というPOPが貼ってあります。
でもそれだけでは他とどう違うのか?どっちが上なのか?など相対的な事がわかりません。
店員さんに質問しても電動工具の知識がない方が多く、納得のいく回答はもらえません。
「これお買い得ですよ?」とお店が売りたい商品をテキトーにすすめられるだけです。
そんなお店で、
「インパクトドライバーとドリルドライバーの違いってなんですか?」
なんて聞いても迷惑そうな顔をされるのがオチです。
運よく電動工具に詳しくて親切な店員さんがいればいいですが、案外いないものです。
中にはこちらが素人だと思って適当なことを言ってくる店員もいます。
じゃあ誰に教えてもらえばいいか?
ホームセンターじゃなくて電動工具の代理店に行けば詳しく教えてくれるでしょう。
電動工具の代理店といえば、町の金物屋さんとかです。
でも・・・金物屋さんなんて初心者が入れる店じゃないですよね。
女性は特に無理でしょう。
なので私が書こうと思いました。
インパクトドライバーとドリルドライバーの違いを簡単に説明。
一言で言えば以下のような感じです。
インパクトドライバー
- 超パワフル!
- 木ネジ打ち、ボルト締め、穴あけなどが出来る。
- 大工さんには必須の電動工具。
- 軽めのD・I・Yにはもてあますパワー。
ドリルドライバー(電動ドリル)
- トルクはインパクトより弱い。
- 大型機なら木ネジ打ちや穴あけが得意。
- ボルト締めはまず無理。
- 繊細な力でネジ締めが出来る。
- ネジ締めの力を細かく設定できる。
詳しくは後述します。
インパクトドライバーとドリルドライバー【外観の違いと見分け方】
ドライバー系電動工具の代表といえば「インパクトドライバー」と「ドリルドライバー」です。
ただしインパクトドライバーとドリルドライバーは外観が似ていてもその機能や用途に大きな違いがあります。
まずは、この2種類を見分けられるようになりましょう。
さて問題です。
あなたはこの3台の違いが判りますか?
3台ともマキタの10.8vタイプのドライバー系電動工具です。
もし以下のインパクトドライバーとドリルドライバーの区別ができないようであれば、ぜひこの記事を読んでみてください。
【1】 |
【2】 |
【3】 |
答えはもう少し後で。
インパクトドライバーの外観と特徴
一言で言えば、インパクトドライバーは見た目がシンプルです。
特徴1)ボタンの配置がシンプルである。
インパクトドライバーについているボタンは、トリガーと正転逆転切替スイッチの2つだけです。
価格2万円くらいまでのオーソドックスなインパクトドライバーには基本的にはこの2つのボタンしかありません。
ドリルドライバーと比較すると、「見た目がシンプル」というのがインパクトドライバーの特徴です。
※ただし、プロ用の4~5万円クラスの高級インパクトドライバーには「モード切替ボタン」や「パワー切替ボタン」などがあります。
特徴1)先端部分が六角ビットスリーブである。
インパクトドライバー先端部分は、差し込み部分が「六角ビットスリーブ式」である事が特徴です。
インパクトドライバーはすべてビットスリーブ式です。
逆にもしこの先端部分がビットスリーブ式じゃない場合は、その電動工具は少なくともインパクトドライバーじゃないという事です。
以下が六角ビットスリーブの写真です。
この外側の部分を引っ張っておいて六角ビットを差し込みます。
この穴には六角軸のビットしか入りません。
六角軸ビットがビットスリーブの六角溝にしっかりはまり回転方向に対して一体化します。
さらに奥まで差し込むと溝が噛んで引っ掛かり、縦方向に脱落しないようになります。
ドリルドライバーの外観と特徴
特徴1)トルク設定ダイヤルがある。
電動ドリルドライバーの外観の一番の特徴はトルク設定ダイヤルがある事です。
ドリルドライバー(ドライバドリルとも呼ぶ)の一番の特徴は「トルク調整ダイヤル」がある事です。
逆に言えばインパクトドライバーや小型電動ドライバーにはトルク調整ダイヤルはありません。
特徴2)中型機以上はドリルチャック式である場合が多い。
ドリルドライバーは14.4V以上の機種はほぼスリーブ部がドリルチャック式になっています。
先端部分のスリーブ部分がドリルチャック式なら、それはドリルドライバーです。
ドリルチャック式は三本の爪でつかむように固定するので、丸軸だけでなく六角軸も含めいろんな形の先端工具をセットすることができます。
先端工具の太さに合わせて爪を開くことができます。
上の写真くらい開けば、六角軸のドリルビットがセットできます。
もちろん六角軸のプラスビットも装着できます。
さらに開けば、下のような丸軸の太いドリル刃がセットできます。
どんどん爪が開いていきます。
正面から見たらこんな感じです。
最大に開いたらこうなります。
ほぼ穴の径と同じ太さの丸軸刃がセットできることになります。
本格的な太いドリル刃は丸軸のなので、このドリルチャックでないと装着できません。
ドリルチャック式は六角ビットスリーブに比べて多種多様な先端工具をセットできるので、汎用性が高いです。
ドリルチャック式のインパクトドライバーは存在しないので、ドリルチャック式の電動工具はインパクトドライバーではないという事は確かです。
特徴3)小型機は六角ビットスリーブ式である場合が多い。
ドリルドライバーでも小型の機種(10.8V以下)だと六角ビットスリーブを採用しているものが多いです。
以下は7.2Vのペン型ドリルドライバーのスリーブ部です。
ドリルチャックではなく、インパクトドライバーと同じ六角ビットスリーブです。
ただし上記のようにトルク調整ダイヤルがある場合はインパクトドライバーでななくドリルドライバーだと見分けることができます。
特徴4)回転スピード切替スイッチがある場合が多い。
ドリルドライバーには回転スピードを切り替えるスイッチが付いています。
7.2Vのペン型ドリルドライバーであってもちゃんと回転スピードの切り替えが出来ます。
たまについていない場合もありますが、ちゃんとしたメーカーの物であればほぼ付いています。
逆に言えば、安い3.6V電動ドライバーやインパクトドライバーには付いていないので見分ける目印になるでしょう。
インパクトドライバーか?ドリルドライバーか?見分けるテスト!
テストです。
以下の3つのうち、どれがインパクトドライバーでどれがドリルドライバーでしょうか?
【1】 |
【2】 |
【3】 |
答えは以下の通りです。
【1】ドライバードリル(ビットスリーブタイプ)です。
理由:「トルク調整ダイヤル」がついている。
【2】ドライバードリル(ドリルチャックタイプ)です。
理由:「トルク調整ダイヤル」がついている。
【3】インパクトドライバーです。
理由:「トルク調整ダイヤル」がない。「ビットスリーブ」がある。
ドリルドライバーの最大の特徴
「トルク調整ダイヤルがある」
=(イコール)
「ドリルドライバーである」
インパクトドライバーとドリルドライバー【トルクの違い】
インパクトドライバーのトルクは、ドリルドライバーの3倍~10倍
インパクトドライバーのトルクを同じ電圧のドライバードリルと比べると、約3倍以上のトルク(締め付ける力)の差があります。
7.2V機(ペン型)での比較
- インパクトドライバー(マキタ TD022DSHX) :25(N・m)
- ドリルドライバー(マキタ DF012DSHX) : 8(N・m)
インパクトドライバーはパワーが強い!木材に長いビスを打ち込むことが出来る。
インパクトドライバーは回転方向に打撃(インパクト)を加えて回す形で締め付ける電動工具です。
叩いて回すので強い力でネジを締め付ける事が可能です。
木ネジをねじ込む力やボルト・ナットを締めるトルク(締め付け力)はメチャクチャ強いです。
- 7.2Vのペン型インパクト:20(N・m)
- 18Vの大型インパクト:130(N・m)~180(N・m)
130(N・m)位のトルクがあれば、90mmや120mmなどの長いコーススレッドもバンバン打ち込んでくれます。
何十本も長いビスを打ち込む場合の作業効率はめちゃくちゃ良いです。
本格的に硬い木材を使ったD・I・Yをやる方やウッドデッキーを作りたい方にはインパクトドライバーが必須です。
下の動画は、締め付けトルク「140N・m」のインパクトドライバーでビスを打つ様子です。
上記はブラックアンドデッカー マルチツールに付属している18Vのインパクトドライバーです。
「ダダダダダッ」と音を立てながらビスをねじ込んでいく様子がわかるかと思います。
65mmを超える大工さんが使う長いコーススレッドビスでもを簡単に打ち込んでくれます。
インパクトドライバーは外観がシンプルで、ドリルドライバーと比較すると小さめです。
ドリルドライバーはジワジワと締める。インパクトよりトルクは弱め。
ドリルドライバーのネジを締める能力(トルク)はインパクトドライバーの1/3くらいです。
3.6Vのドリルドライバーだと5(N・m)程度です。
18Vの本格的なドリルドライバーだと60(N・m)くらいになります。
一部の大型機は100(N・m)を超える物もあります。
とはいえ、普通に120(N・m)以上のトルクがあるインパクトドライバーと比較するとかなり弱めです。
以下はドリルドライバーでコーススレッドビスを打ち込む様子です。
下の動画は締め付けトルク「22N・m」のインパクトドライバーでビスを打つ様子です。
上記はブラックアンドデッカー マルチツールに付属している18Vのドリルドライバーです。
「ウイーン」という音を出しながら、スルスルと65mmのコーススレッドビスを打ち込んでいます。
上記の動画では、DIY用の柔らかいツーバイフォー材にビスを打ち込んでいます。
ホワイトウッドなどの柔らかい木材であれば、22N・m程度でも問題なく65mmのビス打ちが可能です。
上記のようにバッテリー電圧14.4V以上の大型ドリルドライバーはインパクトの代わりが出来るので便利です。
しかし、90mmや120mmの長いコーススレッドビスの打ち込みは難しいです。
また本格的な天然木材を相手にする場合は、木材が堅いのでドリルドライバーではスムーズにはいきません。
ちなみに上記の動画で紹介した「ブラックアンドデッカー マルチツール」はコスパ最高な電動工具セットです。
「インパクトドライバー」と「ドリルドライバー」の他にも「サンダー」や「丸ノコ」もセットになっているので日曜大工で大活躍します。
インパクトドライバーとドリルドライバー【トルク制御の違いは?】
ドリルドライバーは細かいトルク制御が出来る!繊細なネジ締めが得意!
先端の形状に大きな特徴違いがあります。
ドライバードリルの先端根元にダイヤルが見えます。
これはトルク調整ダイアル(トルククラッチ)です。
ドライバードリルには「トルク調整機能」が付いています。
インパクトドライバーにはついていません。
これが一番大きな違いです。
締め付ける力が設定値以上になると空回りします。
薄い板や精密機械を相手にネジ締めを行うときに、相手を壊さないような安全装置です。
パワフルな作業よりも、繊細なネジ締めを重視するのであればドリルドライバーを使いましょう。
インパクトドライバーは精密機器などの繊細なネジ締めは苦手!
インパクトドライバーはトルク調整が出来ません。
ドライバードリルのようなクラッチ機構はなく、ネジを締め過ぎないよう注意が必要です。
インパクトドライバーの場合は無段変速のトリガーを上手に操作して、引き加減でねじの締め具合を調整する必要があります。
また、ネジの締め終わりにはすぐに指を離さないと、打撃での締め付けが始まります。
油断するとダッダッと打撃で締め付けてしまいます。
繊細な板やプラスチック、精密機械などを相手に使用すると破損する場合があります。
繊細な作業が多い場合はトルク調整ダイヤルが付いているドリルドライバーを使った方が安全です。
インパクトドライバーとドリルドライバー【穴あけ能力の違いは?】
ドリルドライバーは綺麗な穴をあける事が出来る!
ドリルドライバーの回転スピードは低速400回転/分~高速2000回転/分くらいです。
回転スピードを上げながらジワジワと穴あけが出来るのできれいな穴あけを行う事ができます。
ココがポイント
穴あけ能力が高い!
木材への穴あけであればインパクトドライバーでも大差ない作業ができます。
でも金属への穴あけや大口径の穴あけになってくるとやはりドリルドライバーの方が作業が確実です。
インパクトドライバーはドリルドライバーとしても使える!※注意点あり!
現在はインパクトドライバー用の六角軸のドリルビットがたくさん売られています。
なので基本的にはインパクトドライバーを使って木材に穴をあける事は可能です。
インパクトドライバーの回転スピードは2,000回転/分~3,000回転/分です。
実はドリルドライバーより回転スピードが速かったりします。
でもこれは無負荷での回転スピードです。
インパクトドライバーはある程度以上の負荷がかかると回転がほぼ止まり、代わりにインパクト機構が作動します。
打撃モードとは「ダダダダダ」とちょっとずつ叩いて回転するモードです。
木材相手ならインパクトドライバーでも大丈夫です。
但し、穴の仕上がりの綺麗さではドリルドライバーの方が上です。
金属やコンクリート相手の穴あけは、インパクトドライバーには難しいです。
インパクト機構が働くと、ドリル刃や母材を壊したりするからです。
仕上がりの綺麗さを重視するならドリルドライバー、作業効率を上げるならインパクトドライバーという感じです。
インパクトドライバーで丸軸のドリル刃を使いたい場合
インパクトドライバーのビット取り付け部は「6.35mmの六角軸」に適した形になっています。
丸軸のビットを装着する事はできません。
ですが別売りの「キーレスチャックアダプタ」を使えば、インパクトドライバーでも丸軸の先端工具を簡単に装着することが出来ます。
ドリル刃だけでなく、カップブラシやスポンジバフなど色々な物が装着できるようになるので、インパクトドライバーの使い道が広がります。
どのメーカーのキーレスチャックアダプターを選べばいいかわからない方は、「マキタ・ハイコーキ・ボッシュ」などの電動工具メーカーのものを選びましょう。
軸ブレなども少なくて安心できると思います。
ドリルドライバーはとても便利な電動工具です。
いろんな作業が出来ます。
- ネジ締め
- ビス打ち
- 穴あけ
他にも先端工具を変えればこんな事も出来ます。
- さび落とし
- 金属磨き
でも負荷をかけ過ぎると壊れやすいので注意が必要です。
インパクトドライバーとドリルドライバー【耐久性・故障しやすさの違いは?】
インパクトドライバーは故障しにくい!
メーカーや品質による違いはもちろんあります。
でも、一般的に言えば「インパクトドライバーの方が壊れにくい」と思います。
理由は「ドリルドライバーと違い、機能がシンプルだから」です。
ほとんどのインパクトドライバーは、引き金(トリガー)以外にスイッチ類がありません。
また、基本的には電圧10.8V以上の機種がほとんどです。
100N・m以上の大きなトルクで締めつける前提で作られており、その反動を受け止められる設計がされています。
ドリルドライバーの方が故障しやすい!
ドリルドライバーはインパクトドライバーより多機能です。
スイッチ類も多く、構造が複雑です。
細かいトルク設定やスピードの切り替えなどが出来るので便利ですが、その分故障もしやすいです。
またドリルドライバーはインパクトドライバーと違い電圧3.6Vや7.2Vの機種も存在します。
さらに同じドリルドライバーでも、用途によってかなりトルクに幅があります。
低トルクのドリルドライバーで高負荷な作業をすると故障する可能性は高くなります。
用途と負荷に見合ったトルクを持つドリルドライバーを使うようにしましょう。
ドリルドライバーのトルクは電圧によりかなり違う!
一口にドリルドライバーといっても、そのトルクはピンからキリまであります。
電圧7.2Vのドリルドライバーのトルク
- 電圧7.2V(ペン型):6N・m
電圧10.8Vのドリルドライバーのトルク
- 電圧10.8V(小型ガングリップ):20~30N・m
電圧18Vのドリルドライバーのトルク
- 電圧18V(ガングリップ型※ハンドル付き):100N・m
ドリルドライバーは、電圧の違いで10倍以上のトルク差があります。
値段より先にまず大切なこと、用途と工具がマッチしているかです。
小型のドリルドライバーは本来小さいトルクでの締め付け作業が得意であり、繊細なネジ締め向けの機種です。
そういった小型ドリルドライバーで高負荷な作業を行うと、本体に負荷がかかり故障する事があります。
ドリルドライバーで長いコーススレッドビスを打ち込むと壊れやすい。
ドリルドライバーで木ネジを打ち込む事は可能です。
長さ50mm程度のコーススレッドビスも打ち込むことが出来ます。
ですが、締め付けトルクが低めドリルドライバーで、長さが長い木ネジを打ち込むのは注意が必要です。
ドリルドライバーが故障する場合があります。
小型のドリルドライバーの場合はトルクが10N・m程度しかないので特にダメージが大きいです。
ドリルドライバーが壊れないように使う対策は?
木工DIYで50mmを超えるような木ネジを打ち込みたい場合は、電圧14.4V以上のトルクの大きなドリルドライバーを使いましょう。
14.4Vのドリルドライバーなら大体30N・m以上のトルクがあります。
それくらいあれば長さ50mm位の木ネジは打ち込んでも大丈夫でしょう。
さらに長い90mmクラスのコーススレッドビスを打ち込むのであれば、電圧18Vでトルク50N・m以上あるドリルドライバーの方が良いです。
一番いいのは「負荷の高い作業はインパクトドライバーに任せる事」でしょう。
ドリルドライバーは、「きれいな穴あけ」や「繊細力での締め付け」などを行う時に使えばいいと思います。
インパクトドライバーとドリルドライバーの名前の呼び方の違い!
メーカーによって名前の呼び方に違いがあります。
ある程度幅もあるようです。
一般的な呼び方
一般的には以下のような表記が多いようです。
- インパクトドライバー
- ドリルドライバー
メーカーごとの呼び方の違い
マキタとHI-KOKI(旧日立工機)は呼び方が同じです。
パナソニック電工はちょっと違います。
メーカー | ドリル | インパクト |
マキタ | 「インパクトドライバ」 | 「ドライバドリル」 |
HI-KOKI(旧日立工機) | 「インパクトドライバ」 | 「ドライバドリル」 |
パナソニック | 「インパクトドライバー」 | 「ドリルドライバー」 |
適当に呼んでる人も多い。
ドライバードリルの場合は色々な呼び方があります。
- 電動ドリル
- ドリルドライバー
- ドライバードリル
「手回しドライバーを電動にしたもの」を指す場合もあれば、ドリルチャック付きの本格ドリルを指す場合もあります。
小型ペンタイプのネジの脱着だけの用途のものも、大型で金属やコンクリートに穴をあける用途のものも大雑把にドライバードリルという括りになっています。
同じドリルでもパワー(締め付けトルク)やスリーブ形状、回転数などでかなり異なります。
用途に合わせてきちんんと判断して購入する必要があります。
インパクトドライバーは分かりやすい。
こちらはハッキリしています。
「インパクトドライバー」もしくは「インパクト」と略して呼びます。
「ドライバー」や「ドリル」と呼ぶ事はありません。
必ず「インパクト」というキーワードが入ります。
「ちょっとそこのインパクト取って!」みたいな感じです。
トルクの違い以外にはあまり種類はありません。
インパクトドリルってなに?
「インパクトドリルでコンクリートに穴をあけたい!」
「インパクトドリルの使い方が知りたい!」
「インパクトドリルをレンタルしたい!」
こういう方、実は結構多いです。
でもこれはちょっと間違いです。
インパクトドリルという電動工具は・・・・ないんです。
気になる方は以下の記事で触れていますのでどうぞ。
-
インパクトドリルとは?【機能・使い方・おすすめ機種】わかりやすく説明!
まだ電動工具に詳しくない初心者の方にとって、電動工具の種類や違いって分かりにくいですよね。 「インパクトドリルが欲しいけど、どれが良いですか?」 趣味のDIYで、念願の充電式電動工具デビューを果たした ...
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インパクトドライバーとドリルドライバー 機能・用途・目的の違い
一見同じことができそうに見える両者。
でも出来る事は結構異なります。
自分がやりたい事ができるのはどちらなのか?
よく調べてから購入しないと後で後悔しかねません。
機能と目的の比較
簡単にまとめてみました。
名称 | 機能 | 用途・目的 |
インパクトドライバー | 打撃回転での締め付け | コーススレッドを使った木材の締結。大工さんが使用する。 鉄骨の締結ボルトや足場のボルトを締め付ける。 |
ドライバードリル(大型) | 高速回転での穴あけ | コンクリート、石、金属、木材に大きな穴をあける。 |
ドライバードリル(中型) | 穴あけと組み立て | 木材などへの穴あけや、機械の組み立て・解体など。 |
ドライバードリル(小型) | ネジやビスでの組み立て | 家具やラックの組み立て(手回しドライバの代わり)、家電や精密装置の修理、小さな穴あけ。 |
インパクトとドリルドライバーのサイズの違い
例として私が持っているインパクトドライバーとドリルドライバーの実機で比較してみましょう。
並べてみるとかなりサイズに違いがあります。
ヘッド部の長さの違いが顕著
同じ電圧(14.4v)の2台を比較してみました。
左側のインパクトドライバーの方が断然小さいですね。
特にヘッド部の長さが倍くらい違います。
最近のインパクトドライバーは「小型化」が進んでいます。
インパクトの方が全体的に小さく小回りが利く
実際の使用時には「ビス」と「先端工具」と「本体ヘッド」が一直線になった状態で使用します。
結構な空間が必要になります。
狭い場所で作業をするとわかりますが、ヘッド部が短いインパクトドライバーの方が格段に使いやすいです。
ちなみに重さもインパクトドライバーの方が軽いです。
ドリルドライバーは電圧によってサイズが全く違う!
今度はドライバードリル同士での比較です。
10.8Vのボッシュのドリルドライバーと14.4Vのマキタの振動ドリルドライバーです。
同じドリルドライバーですが、大きさがかなり違います。
14.4vの方がパワーは断然ありますが、狭い場所では使用不可です。
この場合は「大は小を兼ねる」という訳にはいきません。
どういう場所で、どの程度のパワーが必要かを考えて購入する必要がありますね。
もちろん10.8vの方が軽いです。
インパクトドライバーとドリルドライバー。先に買うならどっちがいい?
これは私のインパクトドライバーとドリルドライバーです。
私も2台持っています。
悩んでいる方の背中を押すつもりで書きます。
今回はバッテリー電圧が14.4Vもしくは18V程度の本格的なものについて書きます。
「インパクトドライバーとインパクトドライバー、最初に買うならどっち?
私の答えは「インパクトドライバーを先に買う」です。
ちなみに私はというと・・・インパクトドライバーとドリルドライバーを両方一緒に買いました。
インパクトドライバーとドリルドライバーは同じ用途に使える場合が多い。
先に行っておくと、インパクトドライバーとドリルドライバーはすごく似ています。
使い方次第でほぼ同じような事ができます。
なので「インパクトドライバーじゃなきゃ絶対できない作業」とか「ドリルドライバーじゃないとどうしてもこれが出来ない」という事は無いと思います。
特に「いずれは2台とも持つつもり」という方であれば、購入の順番が変わったからといって大した支障はありません。
でも今回はあえて順番について書きます。
まず最初にインパクトドライバーを買おう!
日曜大工を趣味にする方が初めて買うのであれば、最初は「インパクトドライバー」の方が良いです。
ある程度ならドライバードリルの代わりができるからです。
但し、パワーがありすぎるので精密機械のネジ止めなどには不向きです。
バッテリーの互換性が高いメーカーやブランドのものがよい!
インパクトドライバーを買うと、また違う工具が欲しくなります。
仮にドライバードリルを追加購入する場合、同じバッテリーが使えるなら本体だけ購入すればバッテリーはインパクトのものを共用できます。
また充電器も共通で使えます。
もし別々にフルセットで購入すると、出費も多いし場所をとって仕方がありません。
あらかじめメーカーのカタログを見て、今後ほしい工具とバッテリーが共通で使えるか確認しておきましょう。
インパクトドライバーはドリルドライバーとして使う事もできる。
本来、ドリルドライバー用のドリル刃の根元はシンプルな丸軸です。
根元が六角形になっておらず、引っ掛ける溝もありません。
このドリル刃はインパクトドライバーの先端には取り付けられません。
取り付けられるのは以下のようなドリルチャックと呼ばれるものです。
このように本来はインパクトドライバーではドリル刃は使えません。
ですが最近は違います。
今はインパクトドライバー用の「ドリル刃が付いたドリルビット」が売られているのです。
以下のようなものです。
上記のドリル刃の根元は、六角形ビットの形状をしています。
これはインパクトドライバー用のドリルビットである証拠です。
以下のようなドリルビットのセットを買えば、木材の小穴あけには困りません。
木材相手ならもっと大きな穴もインパクトドライバーで開けられます。
以下のボアビットなら直径32mmの穴があけられます。
木材への穴あけならインパクトドライバーだからといって困ることはほとんどありません。
さらに金属相手であっても、小穴なら以下のような金属用ドリル刃で穴あけ可能です。
このように最近は多種多様のドリル刃がインパクトドライバー用として売られています。
なのでインパクトドライバーはドリルドライバーの代わりとして使う事ができるようになりました。
インパクトドライバーは回転スピードがドリルドライバーと変わらない2,000回転/分くらいの速さです。
インパクトドライバーは以下のようにビットを交換すればドリルドライバーやインパクトレンチなどの代わりとして使えます。
- 六角軸ドリル刃使用 ⇒ ドリルドライバー
- 六角軸ソケット使用 ⇒ インパクトレンチ
厳密にはインパクトレンチほどのパワーはな無いのですが、ある程度の代わりは出来ます。
ドリルドライバーのようにトルク設定を使った繊細なネジ締めは出来ませんが、トリガーの引き加減である程度コントロールできます。
ドリルドライバーにインパクトドライバーの代わりができるか?。
ドリルドライバーも14.4Vクラスになると60N・mくらいのトルクがあります。
なので長さ90mmくらいのコーススレッドビスを木材にねじ込むことも可能です。
ですがトルク130N・mを超えるようなインパクトドライバーとはパワーが違います。
1本打ち込むのに数倍の時間がかかります。
数本程度打ち込むのであれば大丈夫だと思います。
でもこれが10本~20本、100本となると話が違います。
インパクトドライバーと違って手首に反動がもろに来るので、まず腕が疲れます。
さらに打撃で回すインパクトドライバーと違い、ドリルドライバーへの負荷が相当掛かります。
私は小型のドリルドライバーをインパクト代わりに使って壊した経験があります。
ドリルドライバーをインパクト代わりに使うと長い目で見ると
ドリルドライバー本体の寿命を縮める
という事になります。
なので、よほど繊細なネジ締め作業をするのでなければインパクトドライバーの方が気兼ねなく使えます。
じゃあ先に買うインパクトドライバーはどんなものがいい?
インパクトドライバーはちょっとしたネジ締め用から大工仕事で使うプロ用まであります。
金額も8,000円程度から4万円越えくらいまであります。
プロ用はお金はかかりますが10年使えますし、あらゆる場面で使えます。
気軽に買うならDIY用の方が安くていいでしょう。
詳しくはこちらの記事で書いています。
⇒ インパクトドライバー おすすめ人気機種紹介!安いDIY用からプロ用まで!
インパクトドライバーとドリルドライバー。選び方と買い方。
どちらか1台しか買えない場合
予算の都合上1台しか買えないとしたら「14.4vのインパクト」を買うのが良いでしょう。
女性なら「10.8vのインパクト」でも良いでしょう。
すでにインパクトを持っている方でドリルを追加したい場合
以下のような感じで追加するのも良いと考えます。
大きな穴をあける事が多い方
⇒ 18vの大型ドライバードリル
修理や組み立てに使う事が多い方
⇒ 7.2vのペン型のドライバードリル
低コストで揃えたい場合
バッテリーを共通化して出費を抑えるのであれば、2台目以降は半額程度で購入できます。
男性なら14.4v
女性なら10.8v
という感じで揃えればいいのではないでしょうか?
私が購入したインパクトドライバーとドリルドライバー。
私は14.4vのインパクトドライバーとドライバードリルを同時に購入しました。
ひとつはフルセットです。
- インパクトドライバー
- バッテリー充電器1台
- 4.0Ahのバッテリー2個
- 専用ケース
もう一つはドライバードリルです。
こちらはバッテリーなしの本体のみで購入しました。
予備のバッテリーがないです。
でも4.0Ahのバッテリーはそう簡単にはなくなりません。
私がやる程度のD・Y・I作業なら余裕で1日持ちます。
もしバッテリーが切れても急速充電器が36分でフル充電してくれます。
休憩中に充電が完了します。
現在「TD137」の5.0Ahモデルも出ています。
バッテリー容量は技術の進化で増えていく一方ですね。
私が購入したインパクトドライバー(TD137D)
最上級モデルで高価ですが、ハイパワーでコンパクトだからどんなところでも使えます。
防塵防滴なのでホコリや雨も気になりません。
10年は使うつもりです!
私が購入したドリルドライバー
私が購入したドリルドライバーの紹介です。
またトルク制御は16段クラッチ。
回転も高速回転と低速回転に切り替えることができます。
さらにトリガーの引き加減で回転スピードも無段階変速可能です。
以前壊れた10.8Vの物に比べたら子供と大人くらいの差を感じます。
実はこのドリルドライバーは、コンクリートに穴をあけることができます。
石工、鉄工、木工と3つのドリルモードの切り替えができる特別なドリルドライバーです。
このドリルドライバーについては、こちらの記事で詳しく書いています。
⇒ 【インパクトドライバー】と【振動ドリル】の違いを分かりやすく説明します!
最後に
電動工具は高い買い物ですよね。
インパクトドライバーを買うか?それとも電動ドリルドライバーを買うか?
最初は悩みますよね。
ですが、良い製品なら10年は持ちます。
また、電動工具は使っていくうちに他のものも欲しくなります。
なんだかんだ言ってインパクトドライバーも電動ドリルドライバーもどちらも買う方は多いんじゃないでしょうか?
私も両方とも持っています。
しかも複数台・・・。
インパクトドライバーも電動ドリルドライバーもよい物を買って、長く愛着を持って使うのがベストです。
ちなみにこれから工具を揃えていきたい方にはこちらの記事もおすすめです。