「振動ドリルってよく聞くけど、ただのドリルと何が違うの?」
そんな疑問を持っている方も良いと思います。
一体何のために使うどんな工具なのでしょうか?
目次
振動ドリルとは?
振動ドリルの用途とは?
振動ドリルの用途は、簡単に言えばコレです。
コンクリートなどに穴をあける!
タイルやレンガ、外壁、コンクリートなどの石材に穴をあける時に使用します。
振動ドリルは振動を利用して効率的に掘り進めることができるので、楽に穴あけ作業ができます。
しかも圧倒的に早いです。
コンクリートの庭や壁に手すりや電灯などを取り付けたり固定するならこの振動ドリルが役に立ちますよ。
振動ドリルの名前の呼び方は?
一般的には以下のように呼ばれています。
- 振動ドリル(ACコード式の大型機に使われやすい)
- 振動ドリルドライバー(片手でも持てる小型のものを指す場合が多い)
- 震動ドライバドリル(マキタはこの名称)
- 振動ドライバドリル(ハイコーキ※旧日立工機での名称)
- 振動ドライバー
但し、マキタでは「震動ドライバドリル」という名前です。
厳密に言えば「振動」よりも「震動」の方が正しいような気もしますが、一般的には「振動ドリルドライバー」と呼ばれています。
ちなみにマキタは「ドリルドライバー」を「ドライバドリル」と呼んでいます。
メーカーに寄って表記が違う場合がありますが、どれも同じ種類の電動工具です。
振動ドリルが必要なのはどんな時か?
振動ドリルが必要になるのは以下のような作業を行う場合です。
- コンクリートに穴をあけたい。
- コンクリートブロックに穴をあけたい。
- モルタルに穴をあけたい。
- タイルに穴をあけたい。
- 外壁に穴をあけたい。
- レンガに穴をあけたい。
但し、コンクリートへの穴あけは、小指の太さ位までと思ってください。
ではどんな時にこんな作業をするかですが、私の身近では以下のような時です。
- 屋外のコンクリートの地面に下穴を空けて、手すりを設置する。
- 玄関の土間のタイルやコンクリートに下穴を空けて手すりを設置する。
- お風呂場のタイルの壁や床に下穴を空けて手すりを設置する。
- トイレの壁や床に下穴を空けて、手すりを設置する。
- 日よけテントの重しに使うブロックに穴を空けて、フックを設置し、ワイヤーでテントを張る。
- 外壁に穴を空けて、ビスで何かを固定する。
こんな感じです。
石材に穴を空けてコンクリートプラグを打ち込み、ビスを使って何かを固定する。
そういう事の為に使われるのが一般的です。
一般的なドリルドライバーでコンクリートに穴あけが出来るか?
穴あけといえば「ドリルドライバー」と思いがちです。
でもそれは木材と金属の話です。
相手がブロック、レンガ、タイル、コンクリートなどの場合は普通のドリルドライバーで穴あけが出来るのでしょうか?
ドリルドライバーでコンクリートに穴をあけると壊れやすい。
コンクリート・モルタル・タイル・レンガ・ブロック・石材などに穴をあける場合はドリルドライバーは使わない方が良いです。
いくらトルクがあって高速回転出来るドリルドライバーでも、あまり効率のいい穴あけはできません。
それどころか穴が開かないからといってドリルをコンクリートに押さえつけると、摩擦でコンクリートドリル刃が焼けてダメになります。
そしてドリルドライバー本体もダメージを受けます。
これを繰り返すとドリルドライバーは故障します。
対策は?
どんな対策をしても、普通のドリルドライバーでコンクリートなどに穴を空けるのは難しいです。
「振動ドリルドライバー」を使うしかありません。
考えられる対策としては、安物電動工具ではなくプロ用の18Vもしくは14.4Vの電動工具を買う事でしょう。
もし既にマキタやハイコーキの18Vプロ用電動工具をお持ちであれば、追加で「振動ドリルドライバー本体のみ」を買うだけで振動ドリルドライバーが手に入ります。
最初は要らないと思っていた「振動ドリルドライバー」も、あとで買いたくなった時にフルセットで買うのはつらいです。
振動ドリルが欲しいと思うような方ならきっといろんな電動工具が欲しくなると思うので、コスパの面からも拡張性の面からもプロ用電動工具がおすすめです。
振動ドリルドライバーと一般的なドリルドライバーの違い!
振動ドリルドライバーとドリルドライバー 【用途の違い!】
簡単に言えば以下の通りです。
- 一般的なドリルドライバー:主に木材や金属に穴を空ける用途で使います。
- 振動ドリルドライバー :主にコンクリートや石材などに穴を空ける用途で使います。
振動ドリルドライバーはドリルドライバーとしても使える機種が多いです。
なので振動ドリルドライバーを買えば、一般的なドリルドライバーは必要ないです。
私が持っているマキタの震動ドライバーも「ドリルモード」と「振動ドリルモード」が選べる仕様になっています。
なので通常のドリルドライバーは買わずに1台で済ませています。
振動ドリルドライバーとドリルドライバー 【機能や動作の違い!】
簡単に言えば以下の通りです。
- ドリルドライバー :ドリル刃を回転させる。木材や金属を削りながら進む。
- 振動ドリルドライバー:ドリル刃を回転させると同時に縦に細かくピストン運動をする。
振動ドリルドライバーは回転するだけでなく、超音波歯ブラシのような細かく速いスピードでピストン運動をします。
「細かくヤリで刺すようなイメージ」です。
それと同時にドリルのように回転します。
この「突く」運動があるおおかげで堅い石材を砕いて穴を空けることが出来るのです。
通常のドリルドライバーでコンクリートに穴あけを試みるとどうなるか?
普通のドリルでコンクリートに穴をあけようと思っても、ドリル刃は奥に入っていきません。
だだ高速回転だけです。
強く押さえつけて長時間頑張れば、硬いタイルや石材にもなんとか穴は開けられるでしょう。
しかしドリル強く押さえつけて切削すると、モーターに負荷がかかりドリルの故障に結びつきます。
また、振動ドリルをつかなわい場合はドリル刃がコンクリートとの摩擦で高熱になり、刃がダメになります。
どんなにトルクがあっても、どんなに回転スピードが速くても、ただのドリルドライバーではコンクリートへの穴あけは難しいです。
振動ドリルドライバーとドリルドライバー【使用するドリル刃の違い!】
ドリル刃には大きくいくつかの種類があります。
- 木工用ドリル刃:木材への穴あけに使うドリル刃。
- 鉄工用ドリル刃:金属への穴あけに使うドリル刃。
- 石工用ドリル刃:コンクリート、タイル、レンガ等の石材への穴あけに使うドリル刃。
ドリルドライバーと振動ドリルドライバーでは以下のように使い分ける事になります。
- 一般的なドリルドライバー:木工用ドリル刃。鉄工用ドリル刃。
- 振動ドリルドライバー :石工用ドリル刃。
木工用ドリル刃は、刃物に近い鋭い刃を持っています。
木材は柔らかいので、少し押してやればどんどん食い込んで穴をあけてくれます。
鉄工用ドリル刃は、木工用程の鋭利さはないですが、しっかりと厚目ながらエッジが効いています。
金属を削り取りながら穴を空けます。
石工用ドリル刃は他の2種類とはかなり異なります。
石材相手の場合は、鋭い刃ではすぐにダメになります。
さらに振動ドリルで突き崩すような形で掘り進めるため、他のドリル刃に比べて刃は営利ではありません。
しかし頑丈で角は立っています。
草刈り機などで使うチップソーのチップのようなものが刃先に仕込まれていると思うとわかりやすいかもしれません。
振動ドリルはどんな動きをするの?動作音は?
振動ドリルは縦方向に細かくピストン運動のように振動します。
セットしたドリルの刃は「回転しながら前後に振動する」わけです。
それによりドリルの刃が硬い石材に食い込み、ぐいぐい食い込んで穴をあけていきます。
穴の中を槍で細かく突き崩しながら、さらに回転で削って掘っていくようなイメージです。
動作音は「ダダダダダッ!」ていう連打音ではありません。
「ビーーーーン!」という超音波みたいな細かい振動です。
超音波歯ブラシとか、眼鏡の汚れ落としの機械みたいな音です。
インパクトの音や、ドリルのクラッチ動作音とはまた違います。
振動ドリルで使用するのは「コンクリートドリル刃」
石材に穴をあける時には「振動ドリル」を使用するとともに、ドリルの刃も「コンクリートドリル刃」を使用してください。
売れ筋のコンクリートドリル刃(六角軸)です。
さらに穴あけ後にビスで固定するならコンクリートプラグもお忘れなく。
コンクリートプラグです。
振動ドリルドライバーを買えば、ドリルドライバーは買わなくてよい!
今から電動ドリルを買うなら振動ドリルの方がいいと思います。
モードの切り替えで通常の電動ドリルとしても使えるし、振動ドリルとしても使えるからです。
私はインパクトドライバーと同時に振動ドリルを同時購入しました。
浴室のタイル壁に手すりを付けたり、コンクリート舗装の道に手すりを設置したりするのに使います。
通常のドリルモードと振動ドリルモードでは、明らかに作業効率が違います。
もう別の工具かっていうくらい違いますよ。
振動ドリル、おすすめです。
マキタの振動ドリルドライバー「HP470D」レビュー
購入したのは「マキタの充電式振動ドライバドリル 14.4V HP470D」です。
私の場合は、14.4Vのインパクトドライバー「TD137DRMX」購入時にバッテリー2個と充電器が付属していたので、振動ドリルは本体のみ購入しました。
本体のみだと1/3位の値段で買えますから、経済的ですよ。
通常はドリルモードで使用して、コンクリート相手の時には振動ドリルモードに切り替えて使えます。
一台あると超便利です。
振動ドリルドライバーで、コンクリートに大きな穴を空けることは可能か?
コンクリートに穴を空ける電動工具は、振動ドリルドライバーだけではありません。
コンクリートの穴あけ用電動工具の中では「振動ドリルドライバー」は小型の部類です。
コンクリートブロックにあけられる穴の直径は
18V振動ドリルドライバーであっても、直径10mmくらいまでの穴あけが限界でしょう。
分かりやすく言えば、親指の太さ位の穴しかあけられません。
逆に言えば、コンクリートプラグを打ち込んでボルトで何かを固定するのであればこれくらいの直径の穴があれば十分です。
両手持ちで使う大型の振動ドリルなら2直径20mmまでの穴あけが出来るものもあります。
もっと大きい穴を空けるなら「ハンマドリル」が必要。
もっと大きな穴をあけたいのであれば「振動ドリル」では無理です。
さらに大型の「ハンマドリル」を準備する必要があります。
ハンマドリルなら振動ドリルよりもっと大きな直径の穴があけられます。
大型のハンマドリルなら直径30mm~50mmの穴あけもできます。
また本格的なコンクリートへの穴あけは、振動ドリルよりもハンマドリルの方がかなり効率が良いです。
⇒ ハンマドリル
もっと豪快にコンクリートやタイルを砕くには?
コンクリートに綺麗な穴を空けるというよりも、荒々しく砕いて穴をあけたりしたい場合はハンマドリルでは効率が悪いです。
そうなるとハンマドリルではなくて「ハンマ」が必要になります。
一般的にはハツリという作業に使われる先のとがった電動工具です。
コンクリートやタイルの撤去に使うような豪快な奴です。
解体作業で活躍します。
ハンマは回転して掘るわけではなく、完全にヤリのように打撃でコンクリートに突き刺しながら壊していくものです。
個人で使う方はなかなかいないでしょう。
⇒ ハンマ
振動ドリルドライバー おすすめ機種
マキタ(Makita) HP484DRGX 18V プロ用 震動ドライバドリル
プロ用の定番モデルと言えばこれでしょう。
⇒ マキタ(Makita) 充電式震動ドリル HP484DRGX (18V 6.0Ah)
石工用ドリル刃で直径13mmの穴を空ける能力があります。
なぜ高価なプロ用をすすめるのか?
振動ドリルを使うような方なら、いろんな他の電動工具も使われると思います。
マキタのプロ用電動工具は、18Vバッテリーや充電器を500モデル以上の電動工具と共通で使えます。
なのでDIYモデルの振動ドリルドライバーを買うよりもプロ用を買った方がコスパも良いです。
既にマキタのプロモデルの18Vバッテリーを持っている方は、振動ドリルドライバーの本体だけを買うとかなり安いです。
⇒ マキタ(Makita) 充電式震動ドリル HP484DRGX (18V 6.0Ah) 本体のみ
普通のドリルドライバーとしても使えるので、とても汎用性が高いです。
まだインパクトドライバーもドリルドライバーも持っていない方にもおすすめです。
トルクが60N・mもあるので、ある程度インパクトドライバー代わりとしてビス打ちに使うことも可能です。
マキタ(Makita) M850DSX 14.4V DIY用 震動ドライバドリル
コンクリートへの穴あけ能力は直径10mm程度で良い。
プロ用は高くて買えない!
DIYモデルで十分だ!
そんな方には以下のモデルがおすすめです。
⇒ マキタ(Makita) M850DSX 14.4V DIY用 震動ドライバドリル
価格はプロ用の半額以下で売られています。
その代わりプロモデルと共通でバッテリーや充電器を使うことはできません。
DIYモデルには18Vタイプもあるのですが、14.4Vシリーズの方がいくらかバッテリー互換機種が多いのでこちらをおすすめしてみました。
まとめ
振動ドリルドライバー(振動ドリル)はコンクリートなどの石材に細い穴をあける時に使う電動工具です。
とはいえDIYで個人が使う工具としては十分だと思います。
コンクリート面やブロック面、タイル面に何かを設置したい時には震動ドリルドライバー必要になります。
自宅のリフォームをDIYでやるような方には特におすすめです。