インパクトドライバーを買う時に気になるのが締め付けトルクです。
「インパクトドライバーのトルクって電圧が違うとどれくらい差があるの?」
「どの程度のトルクでどんな作業が出来るの?」
そんな疑問を持っている方向けにインパクトドライバーのトルクの目安について解説します。
インパクトドライバーのトルクの目安【電圧でトルクが大体わかります!】
インパクトドライバーのトルクをバッテリー電圧別に一覧表にしました。
バッテリーはリチウムイオンバッテリーです。
インパクトドライバー 【電圧に対するトルク(目安)】
外観 | 電圧 | 最大締め付けトルク |
--- | 3.6V | --- |
7.2V | 20N・m ~30N・m |
|
10.8V | 70N・m ~100N・m |
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14.4V | 120N・m ~175N・m |
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18V | 130N・m ~180N・m |
|
36V | 200N・m | |
40V | 220N・m |
上の一覧表を見ておわかりのように、インパクトドライバーのトルクには以下の特長があります。
バッテリー電圧が大きいほど、トルク値も大きくなる!
なので、「このインパクトの最大締め付けトルクトルクはどれくらい?」いちいち調べなくても
「電圧7.2Vだから30N・mくらいかな?」
「電圧18Vだから130N・mはあるだろう!」
という感じでバッテリー電圧をトルクの目安として使うことが出来ます。
ちなみにこれは他の充電式電動工具も同じです。
インパクトドライバーの「電圧」・「トルク」・「出来る作業」の目安
インパクト外観 | 電圧 | 最大締め付け トルク値 |
出来る作業 |
--- | 3.6V | --- | --- |
7.2V | 20N・m ~ 30N・m |
ネジ締め(かなりパワフル)。 固着したネジ外し。 木材への木ビス打ち。 (45mm程度まで) ボルト締めM8まで。 穴あけ直径3.5mm程度。 (木工・鉄工ドリル) |
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10.8V | 70N・m ~ 100N・m |
ネジ締め(かなり手加減必要)。 固着したネジ外し。 木材へのコーススレッドビス打ち。 (90mm程度まで) ボルト締めM12まで。 穴あけ直径6.0mm程度。 (木工・鉄工ドリル) |
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14.4V | 120N・m ~ 175N・m |
ネジ締め(強すぎてダメ)。 ※パワー切替機能あれば弱で。 固着したネジ外し。 木材へのコーススレッドビス打ち。 (最長125mmまで全てOK) ボルト締めM16まで。 木工穴あけ直径50mm程度。 鉄工穴あけ直径20mm程度。 |
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18V | 130N・m ~ 180N・m |
ネジ締め(強すぎてダメ)。 ※パワー切替機能あれば弱で。 固着したネジ外し。 木材へのコーススレッドビス打ち。 (最長125mmまで全てOK) ボルト締めM16まで。 木工穴あけ直径50mm程度。 鉄工穴あけ直径20mm程度。 |
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36V | 200N・m | 木材へのコーススレッドビス打ち。 (最長125mmまで全てOK) ビス打ちの作業速度がさらに早い! ボルト締めM16まで。 木工穴あけ直径50mm程度。 鉄工穴あけ直径20mm程度。 |
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40V | 220N・m | 木材へのコーススレッドビス打ち。 (最長125mmまで全てOK) ビス打ちの作業速度がさらに早い! ボルト締めM16まで。 木工穴あけ直径50mm程度。 鉄工穴あけ直径20mm程度。 |
インパクトドライバーは低トルクならネジ締めにも使えます。
それでも3.6V電動ドライバーの数倍のパワーがありますので締め過ぎに注意しましょう。
プロ用の高級機にはパワー切替が出来る機種もあります。
そのような機種なら高電圧のインパクトドライバーでも低電圧のものと同じような作業にも使えます。
インパクトでのコーススレッドビスの打ち込みについて
木材へのコーススレッドビス打ちはインパクトドライバーの定番の作業です。
木材同士の締結に使用します。
木材へのコーススレッドビス打ちに関しては、トルク不足になると途中でビスが入っていかなくなります。
木材の種類やコーススレッドビスの太さによって結果は変わります。
あらかじめ下穴を開けておくことで、低トルクのインパクトでも長いコーススレッドビスを打つ事は可能です。
基本的に高トルクになればなるほど、長いコーススレッドビスを短時間で打ち込む事ができます。
インパクトでのボルトの締め付けについて
普通のボルトと高力ボルトで少し違いがありますが、大体上記の通りです。
本格的なボルト締めに関しては、インパクトドライバーじゃなくインパクトレンチを使った方が賢明です。
インパクトでの穴あけ作業について
木材への穴あけについては14.4V以上のインパクトドライバーなら大きな穴もあけられます。
鉄工については母材の厚みや素材によっても変わると思います。
あまり押さえつけると負荷が掛かってインパクトの打撃が始まってしまうのでドリル刃を壊す可能性があります。
金属相手への穴あけであればドリルドライバーの方が良いです。
ブロック、コンクリート、レンガなどの石工相手の穴あけなら振動ドリルドライバーじゃないと難しいです。
理由を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
インパクトドライバーの「電圧・トルク」と「用途・ユーザー」の目安
低トルクのインパクトでも、下穴をあければ長いビスも打てます。
高トルクのインパクトでも、パワー切替機能があれば弱く締め付ける事も出来ます。
高トルクのパワー切機能替なしのインパクトでも、トリガーの引き加減で弱く締める事も出来ます。
ですが、一般的には用途に合ったトルクを選んだ方が失敗が少ないです。
また用途とトルクがマッチしていれば作業効率が上がります。
ココでは一般的な目安としてトルクとユーザーの関係を書きます。
インパクト外観 | 電圧 | 最大締め付け トルク |
用途 | ユーザー |
--- | 3.6V | --- | --- | --- |
7.2V | 20N・m ~ 30N・m |
配電盤作業や電気設備工事で使う。 電動ドライバーではパワーに不満な方。 |
電気屋さん、 電工さん、 DIY好きさん、 女性、 初心者さん |
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10.8V | 70N・m ~ 100N・m |
大工仕事用のサブ機として使う。 女性用DIY用。 軽い木工DIY用。 |
大工さん、 女性、 DIY好きさん |
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14.4V | 120N・m ~ 175N・m |
大工仕事用のメイン機。 足場設営工事。 解体工事。 本格DIY。 |
大工さん、 鳶さん、 DIY好きさん |
|
18V | 130N・m ~ 180N・m |
大工仕事用のメイン機。 足場設営工事。 解体工事。 本格DIY。 |
大工さん、 鳶さん、 DIY好きさん |
|
日立工機 マルチボルト | 36V | 200N・m | 大工仕事用のメイン機。 建築ボルト締め。 足場設営工事。 解体工事。 本格DIY。 |
大工さん、 鳶さん、 DIY好きさん |
マキタ 40Vmax | 40V | 220N・m | 大工仕事用のメイン機。 建築ボルト締め。 足場設営工事。 解体工事。 本格DIY。 |
大工さん、 鳶さん、 DIY好きさん |
7.2Vのインパクトドライバーより、もっと弱いトルクで締め付け作業をしたい場合は?
バッテリー電圧7.2Vのインパクトドライバーのトルクは20N・m ~ 30N・mです。
それより弱いトルクで締め付けたい場合は、以下の電動工具を使いましょう。
- 7.2Vペン型ドリルドライバー
- 3.6Vペン型ドリルドライバー
- 3.6Vの電動ドライバー(スクリュードライバー、ハンディドライバー)
ドリルドライバーを使う場合(使いやすさと性能重視ならコッチ!)
ドリルドライバーは、たとえ電圧40Vの大型機であっても「トルク調整ダイヤル」を最弱にすれば、めちゃくちゃ弱い力で締め付ける事も出来ます。
但しドリルドライバー本体のサイズがデカくなるので、現実的に選ぶならペン型ドリルドライバーの方が良いです。
ペン型ドリルドライバーの最大締め付けトルクは5N・m程度です。
3.6V電動ドライバーを使う場合(価格の安さならコッチ!)
3.6Vの電動ドライバーは「スクリュードライバー」とか「ハンディードライバー」などと呼ばれている3千円位で買えるものです。
3.6Vの電動ドライバーの最大締め付けトルクも5N・m程度です。
但しトルク調整が出来ないのでもっと弱い力で締め付けたい時には不便です。
電圧36Vや40Vのインパクトドライバーよりもっと強く締め付けたい場合は?
36Vや40Vのインパクトドライバーのトルクは200N・m位です。
それよりもっと強く締め付けたい場合はインパクトドライバーではなくインパクトレンチを使います。
マキタの40Vmaxシリーズのインパクトレンチだと最大締め付けトルクが1,350N・mというバケモノのようなパワーがあります。
ビルや橋梁などの大型建築物の高力ボルトを締め付ける場合にはこういったインパクトレンチを使うことになります。
インパクトレンチの締め付けトルクは200N・m台~1,350N・mなど機種によって幅広いので、作業に合ったものを選べばよいでしょう。
まとめ
インパクトドライバーの電圧・トルクの目安について、何となくわかったでしょうか?
ただ「インパクトドライバー」と一口にいっても、電圧によってパワーも使われ方もかなり違います。
インパクトドライバー選びの参考になったら幸いです。
まだ初心者の方で「初めてインパクトドライバーを買おうと思っている方」なら以下の記事も読んでみて下さい!