
滑らない安全靴や作業靴を探す方は多いと思います。
厨房やプレス工場などの床は油で滑りやすいです。
運送業や警備などの方でも鉄板やマンホールのふたの上など滑りやすい所は沢山あります。
傾斜のある屋根の上に上る職人さんもいるでしょう。
足場の上に登って高所作業する鳶の方などは滑ると命にかかわります。
でも・・・シチュエーションは色々と違います。
いざ滑らない安全靴や作業靴を買うとなると、どれを選んだらいいかわからない場合も多いですよね。
滑らない安全靴ってどんな靴?
滑らない安全靴ってどこで使うの?
滑らない安全靴ってどれくらい滑らないの?
滑らない安全靴って何を見てどう選べばいいの?
滑らない安全靴の具体例は?
今回は滑りにくい安全靴・作業靴の選び方について書きます。
滑らない安全靴・作業靴!その特徴は?
「滑らない安全靴」というのは、言い換えれば「滑りにくい安全靴」です。
安全靴に限らず、「滑りにくいが欲しい」という方は多いです。
では「滑りにくい靴」ってどんな靴でしょうか?
簡単に言えばこうです。
靴底と地面(接地面)との間での摩擦の量を増やし、滑りにくくなっている!
靴底のゴムが柔らかい靴は滑りにくい!
滑らない靴は、靴底(ソール)に特長があります。
車のタイヤで考えるとわかりやすいです。
夏タイヤは硬いゴムですが、スタッドレスタイヤはグニャっとしていますよね。
それと同じです。
滑りにくい靴は靴底のゴムが柔らかいです。
グニャっとなりながら粘り強く地面に張り付く感じです。
靴底のゴムの形状がブロック状で溝がある靴は滑りにくい!
また靴底の形状がブロック状な場合が多いです。
板チョコ状とかキャラメル状といえば伝わるでしょうか?
それは、水分を輩出するためです。
エッジのきいた小さいブロックが地面と靴底の間に水が入り込むのを防ぎます。
水分が溝に押し出されるので、ソールが直接地面と接地ししっかりグリップできます。
滑らない安全靴・作業靴ってどこで使うの?
滑らない靴を選ぶときは、そのシチュエーションが大事ですよね。
とくに安全靴はその作業の場所や特性によって、滑る原因もいろいろあります。
まずはどんなところで使うのか考えてみましょう。
1、雨などで濡れた工場や運送業で使う。
一番多いのはこういうこのパターンでしょう。
よくあるシチュエーションですね。
これについては、安全靴(JIS規格)やプロテクティブスニーカー(JSAA規格)の靴であれば、ほとんどの製品が対応しています。
規格認証のある安全靴全般で、標準的に「滑りにくいソール」が使われています。
JIS規格でもJSAA規格でもない安物の作業靴だと、本当に滑りにくいかは怪しいです。
2、油で滑る場所(プレス工場など)で使う。
工場では油が使われますね。
潤滑に使ったり、熱を持たないように使ったりです。
プレスの工場などでは材料の鉄板は常に油まみれですし、床も常に油っぽいです。
でも工場の場合は滑るだけでなく、足の甲やつま先の保護も大切です。
3、厨房や食品工場などで使う。
レストランなどの厨房(キッチン)での作業や、食品工場での作業でも滑りにくい靴が使われます。
食品自体の脂分油や調理用の油でも滑りますし、清潔に保つための清掃でも水を使います。
調理場は常にギトギトしがちです。
だから滑らない靴が必要です。
但し、小さな厨房ならて重量物といってもそこまでの危険はないと思います。
洗いやすく、汚れがわかりやすいシンプルな白系の靴が好まれるでしょう。
逆に大掛かりな厨房や食品工場なんかだと、やはり先芯が入った保護靴の方が良いかもしれません。
耐滑性は確保しつつ、仕事内容や環境に合わせた保護靴が必要です。
4、医療現場や介護現場などで使う。
医療現場や介護の現場でも滑りにくい靴は必要です。
通常は滑らないかもしれません。
しかし血液や尿、汚物などで床が滑りやすくなったりしますし、清掃時など水や洗剤を使います。
さらに医療現場では人の命に係わる仕事です。
「手術の時に滑って転んだ」
とか、
「患者を支えるはずが一緒に転んで大けがした」
なんでことになったら大変です。
介護の場合も同じです。
身体の不自由な方の介助をする時に、介護士が転んでしまっては身も蓋もありません。
自分の安全を守りだけでなく、相手の安全を守る必要がある現場です。
患者や被介助者の為に安全性を確保しなければなりません。
こちらも厨房と同じように、安全靴のような頑丈な靴である必要はないでしょう。
滑りにくくて、清潔感があり、動きやすく、洗いやすい物が良いと思います。
5、屋根の上などで作業する。
屋根の上などの高所での作業は、滑ると転落につながり大変危険です。
そういう意味では耐滑性がとても重要です。
でも屋根の上の作業はしゃがんで作業する事が多いです。
屋根の上の移動は、地上のようにまっすぐ立ってスタスタとは歩けません。
滑らないように踏ん張ったり手をついて横に動いたりします。
しゃがむ時はつま先が斜面の上の方を向くので、地上でしゃがむよりもよりつま先部分が屈曲します。
なので靴にも屈曲性が必要です。
足の指の付け根あたりで、よりグニャっと曲がる必要があるのです。
もし靴が曲がらなければ、踵がスポッっ抜けて靴が脱げてしまいます。
屋根の上で靴下だけになれば、間違いなく滑り落ちます。
そして瓦の段差部分では、靴底が柔らかくきちんと屋根とソール全体が設置する必要があります。
ソールが堅いと全体で設置できないので段差で滑りやすくなります。
なので通常の靴よりも裸足に近いソールの柔らかさが必要です。
さらに屋根は夏場は灼熱地獄です。
気温が30℃でも、屋根の表面は50℃にもなるでしょう。
もしその熱が簡単に足の裏に伝わってしまったら、ヤケドして作業どころじゃありません。
なのでソールの素材には耐熱性が必要になりますし、インソールには遮熱性が必要です。
滑らない安全靴・作業靴。具体的にはどれくらい滑らないの?
滑らない靴ってどのくらい滑らないのか?
そして自分はどれくらい滑りにくい靴が欲しいのか?
普通の靴(規格なし品)の「滑りにくさ」とは?
普通の靴では「滑りにくさ」の程度は分かりません。
「めちゃくちゃ滑りにくい」と説明に書いてあっても、それはそのメーカーが主観で勝手に書いているだけかもしれません。
店員さんが「この靴は滑りにくいですよ!」というのも同じです。
どれくらい滑りにくいかは、自分で買って履いてみないとわからないです。
これに対して、JIS規格やJSAA規格の靴には基準があります。
安全靴やプロテクティブスニーカー(規格品)の「滑りにくさ」とは?
安全靴は日本工業規格(JIS)の規格(JIST8101)の認証を受けた作業靴です。
厳密にはこのJIS規格品だけが"安全靴"と呼ぶことが出来ます。
プロテクティブスニーカーは日本保安用品協会(JSAA)の規格(JSAA規格)の認証を受けた作業靴です。
厳密にはこのJIAA規格品だけが「プロテクティブスニーカー」とか「プロスニーカー」と呼ぶことが出来ます。
上記の規格品の場合は、滑りにくさに基準があり、数値で分かります。
JIS規格やJSAA規格の安全靴(プロスニーカー)に”耐滑”という文字や絵の表示があったら、それには以下のような意味があります。
ココがポイント
「耐滑」= 動摩擦係数が0.2以上
動摩擦係数が0.2以上という事はどういう検査をもとに証明するのでしょうか?
それは以下の動画で分かります。
※ミドリ安全株式会社の動画
ステンレス板の上に潤滑液を塗って、その上に靴を押さえつけながらステンレス板をウイーンと往復運動させます。
この時のステンレス板が「どれくらい動きにくいか?」を測るわけです。
測るのは動摩擦係数という値です。
分かりやすく言うとこんな感じです。
動摩擦と静摩擦の違い。
静摩擦係数 ⇒ まだ滑っていない状態でグーッと耐える力
動摩擦係数 ⇒ 滑りながらズズズズッっと止めようとする力。
なのでここで言う滑りにくさとは、
「まったく滑らない力」
ではなく、
「滑り始めても、ツルンと一気に滑らずに滑りを止めようとする力」
まったく滑らない靴っていうのは、歩くときに突然ストップがかかり、石に躓いたように危険性がありますよね。
まったく滑らない状態から一気にツルンと滑ったら、身体は反応できずに大けがをしてしまいます。
動摩擦係数の高い靴は、靴が滑り始めた時にツルンでなはくズズズッっと少しずつ滑りながらも踏ん張ってくれます。
履いている人は状況は滑り具合を確認しながら危険を察知して転倒を回避できます。
最初は私も「静摩擦の力(まったく滑らない力)」を測るんだと思っていました。
でも違うんですね。
少しは滑った方が良いんですね。
よくよく考えたらそっちの方が安全だと思います。
滑りにくいだけではなく、滑り具合を体で感じ、路面の状況がよくわかります。
何かにつかまったり、手をついたり、対処する時間も生まれやすいです。
車の冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)もそうですよね。
夏タイヤは急ブレーキを踏むと雪の上や凍結面ですぐにスリップします。
一度スリップしたらそのままツルルーンとガードレールにまっしぐらです。
でもスタッドレスタイヤは水はけを考えたブロック状の接地面と柔らかいゴムで、滑り始めた後も踏ん張り続けることが出来ます。
極端な挙動をしないので、危険を回避する時間も生まれて対処することが出来ます。
「一気に滑るより、少し滑りながら踏ん張り続ける」
これが安全につながるという事です。
滑らない安全靴・作業靴って何を見てどう選べばいいの?
前述のとおり「滑らない安全靴」といっても、
・どの程度滑らないのか?
・ちゃんと検査をしたのか?
・自社検査の設備や計測の仕方に違いはないか?
そんな事を考えると、そのキャッチコピーをそのまま信じていいのかわからない物が多いです。
ホームセンターや作業服屋さんにはたくさんの安全靴や作業靴が売られています。
でもよっぽど詳しい人でない限り店員さんでも滑りにくさの優劣は分かりません。
もし職場で履くなど本当に耐滑性能の良い靴を選ぶのであれば、規格認証を受けた靴を選びましょう。
「滑らない安全靴」と客観的に証明できる「2つの規格品」を選ぶ!(JIS・JSAA)
本当の意味で「どれくらい滑りにくいのか?」を客観的に数値で判断できるのは「規格品」だけです。
それは公的な機関で性能が証明されているからです。
規格品には2通りがあります。
1、JIS規格の安全靴で、かつ「F」の表示があるもの(耐滑性能あり)。
2、JSAA規格のプロテクティブスニーカーで、かつ「耐滑」とか耐滑性能を意味するイラスト(ピクトグラム)が表示されているもの。

JIS規格品、もしくはJSAA規格品で、上記の耐滑性能を示す表示がある安全靴だけが、「滑りにくさ」を保証されています。
上記の表示があれば「動摩擦係数0.2以上」という事になります。
「安全靴・作業靴技術指針」で定める靴底の耐滑区分で選ぶ。(最高は5:動摩擦係数0.3以上)
「安全靴・作業靴技術指針」の対象は安全靴だけではありません。
先芯がない作業靴にも共通の指針です。
「安全靴ではないけど、耐滑性能は優れている」
そんな靴の性能をしっかりと数値で区分できるようになっています。
JIS規格の安全靴やJSAA規格のプロテクティブスニーカーの場合、耐滑性能表示がある場合は「動摩擦係数0.2以上」です。
でもこの指針の耐滑区分では最高で5というランクがあり、それは「動摩擦係数0.3以上」の耐滑性能があります。
「安全靴じゃなくていいから、耐滑性能の高い靴が欲しい!」
そんな時は、この「安全靴・作業靴技術指針」の耐滑区分が5のものを選ぶと良いでしょう。
規格品じゃないなら、「動摩擦係数」の数値が表示してあるものを選ぶ!
その他で探すなら、やはり動摩擦係数の値が書いてある靴が良いと思います。
ただ単に「滑りにくい」と書いてあるだけの靴はあまり信頼できません。
滑らない安全靴・作業靴 具体的にどんな商品があるの?
1、軽作業や運送業使う(快適性重視)。
快適性重視ならスポーツメーカーが製造販売しているJSAA規格のプロテクティブスニーカーがベストです。
運送業(クロネコヤマトさんとか佐川急便さんみたいな所)だったら特にそうです。
スバリ、
を履いてみてください。
軽くて、蒸れにくく、走りやすいです。
豊富なラインナップから選べます。
しかも現在のモデルのほとんどが”CP〇〇〇”という型番です。
この型番のすべての靴は、耐滑能力のあるCPソールという靴底です。
・雨の日に滑らない安全靴
・グレーチングや鉄板で滑らない安全靴
そんなニーズにこたえてくれる快適性の高い安全靴です。

細かい溝が切ってあり、ブロックの縁はエッジが効いています。
なので水や油がソールと地面の間に入り込みにくく、溝に排出されます。

さらに浅い溝が切ってあり、それがスリップサインになっています。
浅い溝がなくなって、小さい4つの四角ブロックが1つの四角にみえるようになったら、それが靴の交換のサインとなります。
朝に霜が降りた工場の現場や工場の鉄板、グレーチングの上などでも滑らないようになっています。
「滑らない安全靴が欲しい、けど快適性も捨てがたい」と思っている方にドンピシャです。
今ではいろんな個性のあるモデルがあります。
完全にカジュアルスニーカーに見える安全靴。

【FCP208-クラシックレッド×ストーングレー】
どうみてもジョギングシューズみたいな安全靴。
⇒ アシックス-ウィンジョブ紹介記事はこちら。
2、油で滑る工場の軽作業で使う。
耐滑性のある安全靴は、水だけでなく油で濡れた床でも滑りにくい設計になっています。
但し、油の場合は安全靴のソールのゴムを傷める恐れがあるので、「耐油性」といって油に触れても劣化しにくい素材である必要があります。
上記で紹介したアシックスのウィンジョブCPシリーズは、すべての靴が「耐滑性」と同時に「耐油性」があります。
なので快適性を求めるなら上記と同じアシックスのウィンジョブです。
もしJIS規格の安全靴を使う指示があるのであれば、後述のミドリ安全の「耐油かつJIS規格」の安全靴をお勧めします。
3、油まみれになる。または薬品を扱う現場で使う。
ちょっとした油ではなく、ギトギトで靴自体が汚れるような場所では、できるだけ手入れがしやすく薬品に強いタイプの方が良いと思います。
そういう現場ならミドリ安全の「耐油・耐薬品仕様」の安全靴が良いと思います。
こちらはJIS規格の安全靴です。
種別はS種(普通作業用)でほとんどの現場で問題なく使える安全性です。
【ミドリ安全(耐油・耐薬品仕様)安全靴 プレミアムコンフォート PRM210NT】
![[ミドリ安全]耐油・耐薬品仕様安全靴 プレミアムコンフォート PRM210NT(耐薬品性能)](http://enjoy-diy.net/wp/wp-content/uploads/ミドリ安全耐油・耐薬品仕様安全靴 プレミアムコンフォート PRM210NT耐薬品性能-300x238.jpg)
さらに耐滑性能は最高レベル(動摩擦係数0.3以上)です。
![[ミドリ安全]耐油・耐薬品仕様安全靴 プレミアムコンフォート PRM210NT(耐滑性能)](http://enjoy-diy.net/wp/wp-content/uploads/ミドリ安全耐油・耐薬品仕様安全靴 プレミアムコンフォート PRM210NT耐滑性能-300x300.jpg)
油や薬品の拭き取りも容易なので、お手入れも楽です。
ルックスは昔ながらの安全靴ですが、その分本格派です。
アッパー部が天然皮革なので、足の甲への落下物からの保護力も高いです。
3、厨房などで使う。
厨房は油や水で滑るので耐滑性のある靴が必要です。
但し、JIS規格の安全靴を履く方はほぼいないと思います。
なので傾向としてはコスパの高い耐滑性のある作業靴が好まれているようです。
コスパで選ぶならコレ!
Amazonのベストセラー商品です。
滑りにくく、防水でシンプル。
そして何よりも価格が安い!
ちなみに「アキレス」は日本の靴メーカーです。
子供の運動靴「シュンソク」で有名ですよね。
日本の子供の半数以上が瞬足なんじゃないかと思うくらいみんな履いています。
信頼の日本メーカーが作る靴なのにこんなに安かったら、そりゃみんな買いますよね。
4、大きなレストランの厨房や食品工場などで使う。
食品メーカーの工場や大きなレストラン・フードコードのバックヤードなどは状況も違うと思います。
重量物を運んだり、製品をパレットに積んで、リフトが運搬するような食品工場だと安全管理も必要です。
そんな場合は靴のつま先に先芯がはいった安全性の高い靴が必要です。
快適性と安全性で選ぶならコレ!
CP303はJSAA規格のプロテクティブシューズです。
品質は折り紙付き。
しかもアシックスです。
快適である事は言うまでもありません。
ソールはCPグリップソールなので、滑りにくいです。

アルファゲル搭載なので、踵への衝撃による負担が減ります。
疲れにくいです。

つま先が上がっているので、つまずきにくいです。
さらに、縫い目が無いので水が入りにくいです。

中敷きは立体で、土踏まずをサポートします。
これも疲れにくさにつながります。

価格は高くなりますが耐久性が高いです。
長いスパンで考えたら、掛かるお金は安物と大して変わりません。
しかし疲れにくさでいえば圧倒的にこちらです。
長い期間、快適に仕事が出来る事を考えたらこちらの方が良いでしょう。
さらに先芯も入っています。

しかもガラス繊維強化の先芯が入ったA種(普通作業用)のプロテクティブスニーカーです。
軽作業用のB種よりも保護力が高いです。
滑りにくいだけの作業靴と比較したら、安全性は圧倒的にこちらの方が良いです。
5、医療現場や介護現場などで使う。
医療用や介護用の靴もちゃんとあります。
ナースシューズとかメディカルシューズというものがそうです。
看護師が履く靴であればアシックスのナースシューズが秀逸です。
ナースウォーカーという名前で数種類販売されています。
人の命にかかわるので、安物はちょっと心配ですよね。
機能性が高く、疲れにくいのはNURSEWALKER-509のようなモデルです。

アルファゲル搭載で、クッション性がよく疲れにくいです。
介護士用の靴は、また別にあります。
アシックスではケアウォーカーという名前で数種類あります。

ケアウォーカーは介護施設で実際に働く方の意見を聞いて作製されています。
ケアウォーカーは介護士さん特有の動きをサポートできる靴です。
◆被介護者を支えたり抱えたりする。

⇒ 靴 底全体の接地面積が大きいので、しっかり踏ん張ることが出来る。
◆しゃがんだり前かがみになったりすることが多い。
⇒ 荷重がかかる靴底や中敷きの前部にやわらかいスポンジ材を採用。
⇒ 靴底前部は、屈曲溝を設けてしゃがみやすくした。
◆急な対応が必要
⇒ かかと周りを低くして履き口を大きくし、素早く履くことが出来る。

⇒ 面ファスナーのベルト1本を折り返して締める構造で、フィッティング調整しやすい。

看護師用ともまた違う形です。
看護師と介護士では、仕事の内容が似ているようで結構違うんですね。
ケアウォーカーは、より介護士の現場の声を取り入れた作りになっています。
靴を見れば、その仕事ぶりが見えてくるような気がします。
6、屋根の上などで作業する。
屋根の上での作業では、足の上に重量物が落ちてくるという想定はあまりなさそうですね。
性能へのニーズとしては強力なこんな感じでしょう。
・強力な滑り止め。
・熱い屋根の上でもやけどしない遮熱機能。
・瓦の段差を超えて設置できるソールの柔軟さ。
・しゃがみ作業でも脱げない屈曲性やフィット性。
「滑らない安全靴」といっても、ごつくて重たい靴は向かないですね。
屈曲性では医療や介護で使うメディカルシューズと似ているかもしれません。
しかし遮熱性はソールの柔らかさについては、他のどれとも違うニーズです。
そんな靴はあるのでしょうか?
鳶の方向けの靴は結構あるようですね。
でも屋根上に特化したものはどうでしょう?
ミドリ安全からは屋根上作業靴に特化したJSAA規格のプロテクティブスニーカーが販売されています。
ヤネグリップです。


靴底は屋根上作業用に開発された専用ソールです。

くびれがあり、しゃがんだ時の屈曲性は高そうですね。


耐滑性能(滑りにくさ)は最大レベルの5です。
動摩擦係数は0.3以上です。
しかもミドリ安全の靴の中でも耐滑性抜群の「ハイグリップソール」です
価格も5,000円以下と、JSAA規格であるにもかかわらず安いです。
そのほか、ミドリ安全だと「トビ TS115N」という屋根上作業靴も人気です。

つま先部分の保護力が高そうです。
しかもつま先までしっかりグリップしそうです

ソールは、土踏まず辺りがくびれて、しゃがみやすそうなデザインです。

しゃがむことが多い屋根上作業。
トビスニはインソールの形状が「つま先を守る形」になっています。
靴の特長を見ると改めてよくわかります。
屋根上作業はしゃがみやすくと滑りにくく、そしてつま先への負担が少ない靴が好まれるようです。
7、会社から「JIS規格の安全靴」と指定がある場合。
ここまで職種や場所別の「滑らない安全靴」を紹介しました。
ですが、これらは厳密にいえばほとんどがJSAA規格のプロテクティブスニーカーです。
JIS規格ではなくJSAA規格なのです。
ですが、会社や現場によっては「JIS規格の安全靴を使いなさい!」という指示がある場合があります。
簡単に言えばそれだけ「危険な作業」を行う現場だという事です。
「快適性よりも安全性を最優先しなさい!」
という事です。
この場合は指示に従う必要があります。
会社には労働者の安全を確保する義務があるからです。
ではJIS規格の滑らない靴とはどんな靴でしょうか?
JIS規格の安全靴にも、安全性のグレードが3段階あります。
・重作業用(H種):一番安全性が高い。
・普通作業用(S種):普通の工場での作業など。
・軽作業用(L種):軽作業向け。
ここで言う安全性とは、主に以下のことです。
1、重たいものを「ドンッ!」足の上に落とした時に、足を守ってくれる安全性。
2、フォークリフトに踏まれるなどの、大きな力でつぶされそうなときに足を守てくれる安全性。
こういうJIS規格の”安全靴”を指定された場合は、靴を選ぶときに必ずJISマークが表示されていることを確認してください。
前述しましたが、JIS規格の安全靴の場合、インソールや靴底に必ずJISマークがあります。

※インソールにあるJISマーク

※靴底にあるJISマーク
H種(重作業用)の「滑らない安全靴」
H種(重作業用)の滑らない安全靴で、かつ「耐滑性能」が高い”F”の表示がある安全靴を探しましょう。
ウィンジョブでは「JIS規格でH種」の安全靴は見つかりませんでした。
ここはやはり安全靴の老舗「ミドリ安全」の出番です。

【ミドリ安全 重作業向け安全靴 ウルトララバーテック RTU210 ブラック】
RTU210は、JIS T8101規格の認証を受けたH種安全靴です。

H種の中でもさらに安全性が高いモデルです。
通常のH種安全靴は100Jの衝撃に耐えられる事が条件となっています。
100Jの耐衝撃性とは、
「先がとがった20Kgの重量物を、高さ51cmの高さから落下させたときの衝撃」
です。
なので100Jの衝撃に耐えられるH種の安全靴のつま先(先芯部分)なら、これだけの衝撃を受けても先芯部分が足の指をケガから守れるという事です。
しかし、このRTU210はJIS規格だけではなく、国際基準であるISOの規格に準拠する「200J」の衝撃に耐えられます。
200Jがどれくらいの衝撃かというと、
「先がとがった20Kgの重量物を、高さ100cmの高さから落下させたときの衝撃」
です。
H種の条件である51cmのほぼ倍の高さ100cmから落としても大丈夫という事です。
ただの重量物ではないですよ。
先がとがった重量物が、刺さるように落下するという条件です。

落下物から足を守る保護力については、ずば抜けています。

さらに付加的機能として「E(かかとの衝撃吸収性)」と「F(耐滑性)」を有しています。
滑りにくさで言えば、「動摩擦係数0.2以上」という事になります。
H種の安全靴自体そんなに種類が無いので、「H種かつ耐滑性あり」の安全靴を探すとなれば、このRTU210は有力な候補だと思います。
S種(普通作業用)の「滑らない安全靴」
JIS規格で、かつS種(普通作業用)の安全靴を探すのであれば、かなり候補は広がります。
S種であれば、動摩擦係数0.3以上の最高クラスの耐滑性能の安全靴が存在します。
前述した「PRM210NT」がそうです。
【ミドリ安全(耐油・耐薬品仕様)安全靴 プレミアムコンフォート PRM210NT】
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耐滑性(滑りにくさ)は最高レベルの動摩擦係数0.3以上。

発砲ポリウレタン2層底もさらに耐滑性を高めています。
ちなみにJIS規格のL種の安全靴については、わざわざ選ぶほどのニーズは無いと思います。
履きやすさで選ぶなら、JIS規格のウィンジョブが一押しです。
ウィンジョブには2種類しかない「JIS規格S種」の安全靴です。
快適さと安全性を優先するならコレです。
付加的性能もE・F合格品ですので、耐滑性があり、踵の衝撃も吸収してくれます。

FFR71Sは足首まで保護してくれるJIS規格のウィンジョブです。
こちらもJIS規格S種なので、安全性重視の方にはピッタリです。
付加的性能もE・F合格品ですので、耐滑性があり、踵の衝撃も吸収してくれます。
最後に
いかがでしたか。
「滑らない安全靴・作業靴」を探している方のお役に立てればうれしいです。
第一候補として探すのであればアシックスの安全靴がおすすめです。
こちらで詳しく書いていますよ。

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