もう夏の盛りも過ぎて、少しずつ秋の気配が感じられる朝夕。
いまでも思い出す原風景がある。
田んぼの上を夕焼け空が赤く染めて、数えきれないほどのトンボが辺り一面を埋め尽くしていた子供の頃の風景。
もうあんな風景は二度と見れないのだろうか?
そんなことを考える今日この頃。
子供が水彩画を描いていた。
夏休みの宿題となっている水彩画だ。

見れば見るほど・・・・?
絵心が・・・・なさそうだ。
まあ、私の子供のころはもっとひどかったから、偉そうに言えた立場ではない。
子供が小さいときに、周りの子が絵画教室に通っているという話を聞いたことがあった。
絵がうまいと良いこともありそうだなと思いながらも、他の習い事などの兼ね合いもあり絵画教室には通わせなかった。
子も行きたいとは言わなかった。
まぁ私や妻に絵画への関心があまりなかったので、子も関心を持たなかったのだろう。
でもそれ以降、子の夏休みの宿題やスケッチ大会で絵を描くたびに「ごめんね」という気持ちになっていた。
「あの時、絵画教室に通わせていれば、少しは絵心が芽生えたのかもしれない。」
とちょっぴり後悔してしまうのだ。
でも今更公開したってしょうがない。
でも今回は違う!
夏休みの課題の水彩画を書いている子に「ここをもっとこうすればいいんじゃない?」とアドバイスをしてみた。
絵が下手だった覚えしかない私のアドバイスなんて役に立つのだろうか?
でもあの頃は全く気付かなかった山の白や黒や黄色や赤が、今はわかるのだ。
昔は山を緑一色で塗りつぶしていた私。
麻雀で言えばリューイーソウ。
紅葉した山ですらみどりで塗りつぶしていた私だが、今は白い光や黒い影、紅葉した黄色や赤がしっかり目に飛び込んでくる。
だから「ここ白いよね?」とか「ここの影はもっと濃い色の方が良くない?」などとアドバイスができてしまうのだ。
それでも自分自身のアドバイスに自信が持てなかったが、今回はあまりにも絵心が無い子の作品を前に、少しでもいいから良い絵をかかせたいと思ったのだ。
これはある意味罪の償いでもあるのだろう。
子供はやっぱり小さいときに親がサポートして環境を作ってあげることが大事だと思う。
別にプロになるわけではなくても、いろんな分野で自信をもって、豊かに暮らせるようになるだろうから。
それが出来なかった分野は子の絵画分野だ。
今からでも絵を楽しいと思って欲しい。
そういう想いからアドバイスをしたのだ。
私のアドバイスをもとに「あーだこーだ」とやっているうちに絵が良い感じになってきた。
これには私自身も驚いた。
「おお!さっきとは全然違う!立体感や遠近感が出てきた!」
絵が下手な親子でも、きちんと絵に向き合って頑張ればいい絵が描けるのだ!
やっているうちに絵を描く楽しさを感じた。
人生初かもしれない!
子もなんだか楽しそうだ!
もちろん入賞なんて狙っていない。
でも楽しい夏のひと時を子と過ごせたことは確かだ。
そして子も「絵ってちょっとしたことで上手に書けるんだ」と自信を回復したかもしれない。
「絵の先生でもないのに偉そうに言うのはやめよう」
そう思っていたら、こんな展開にはならなかっただろう。
思い切ってアドバイスしてよかった。
子供だけでなく自分自身もなんだか自信を取り戻せた気がする。
人生で初めて絵を描くのが楽しいと思った一日だった。