「振動ドリルってよく聞くけど、ただのドリルと何が違うの?」
そんな疑問を持っている方も良いと思います。
一体何のために使うどんな工具なのでしょうか?
振動ドリルとは?
振動ドリルの用途とは?
一言で言えば以下の通りです。
振動ドリルの用途:コンクリートに穴をあける!
振動ドリルの用途は以下のようなものです。
- コンクリートに穴をあけたい。
- コンクリートブロックに穴をあけたい。
- モルタルに穴をあけたい。
- タイルに穴をあけたい。
- 外壁に穴をあけたい。
- レンガに穴をあけたい。
振動ドリルを使う場面とは?
振動ドリルドライバーは「石材に穴を空ける」という事が得意です。
その穴は「コンクリートプラグを打ち込み、ビスを使って何かを固定する」といった目的で空けられる穴です。
「コンクリートに対してビスやボルトを使って何かを固定する」
そういう事の為に使われるのが振動ドリルです。
DIYでありそうな目的を挙げてみます。
- 屋外のコンクリートの地面に下穴を空けて、手すりを設置する。
- 玄関の土間のタイルやコンクリートに下穴を空けて手すりを設置する。
- お風呂場の壁のタイルに下穴を空けて手すりを設置する。
- トイレの壁や床に下穴を空けて、手すりを設置する。
- 日よけテントの重しに使うブロックに穴を空けてフックを設置しテントを張る。
- 外壁に穴を空けて、ビスで何かを固定する。
振動ドリルは振動を利用して効率的に掘り進めることができるので、他の電動工具より楽にコンクリートへの穴あけ作業ができます。
しかも圧倒的に早いです。
コンクリートの庭や壁に手すりや電灯などを取り付けたり固定するならこの振動ドリルが役に立ちますよ。
振動ドリルの名前の呼び方は?
一般的には以下のように呼ばれています。
- 振動ドリル(一般的な呼び方。穴あけに特化した両手持ちの大型機を指す場合も多い。)
- 振動ドリルドライバー(一般的な呼び方。ネジ締めにも使える片手持ちの小型のもの)
- 震動ドライバドリル(マキタでの呼び方)
- 振動ドライバドリル(ハイコーキ※旧日立工機での名称)
- 振動ドライバー
厳密に言えば「振動ドリル」と「振動ドリルドライバー」はちょっと違います(後述します)。
ですが一般的にはひとくくりに「振動ドリル」と呼ぶ人も多いです。
また、マキタの場合は「振動ドリル」ではなく「震動ドリル」と呼びます。
実際「震動ドリル」の方が意味合い的に正しい気もします。
でも一般的には「振動」という漢字を使う場合がほとんどです。
ちなみにマキタは「ドリルドライバー」を「ドライバドリル」と呼んでいます。
「ドライバドリル」の方がプロっぽくていい響きだと思いますが、一般的には圧倒的に「ドリルドライバー」という言葉が使われています。
というわけで、メーカーに寄って表記が違う場合がありますがどれも同じ種類の電動工具です。
振動ドリル機能ってどんな動きをするの?
振動ドリルは縦方向に細かくピストン運動のように振動します。
セットしたドリルの刃は「回転しながら前後に振動する」わけです。
穴の中を槍で細かく突き崩しながら、さらに回転で削って掘っていくようなイメージです。
振動ドリル機能の動作音は?
動作音は「ダダダダダッ!」ていう連打音ではありません。
「ビーーーーン!」という超音波みたいな細かい振動です。
超音波歯ブラシとか、眼鏡の汚れ落としの機械みたいな音です。
インパクトの音や、ドリルのクラッチ動作音とはまた違います。
振動ドリルドライバーの重量とサイズは?
振動ドリルドライバーは、家庭内での雑用に使うにはちょっと大きくて重たいです。
振動ドリルドライバーと電動ドライバーの比較
右がマキタの14.4Vの振動ドリルドライバーです。
左はボッシュの3.6V電動ドライバーです。
振動ドリルドライバーは3.6Vの電動ドライバーよりもサイズがメチャクチャ大きいです。
ネジ回しだけに使うような電動ドライバーと、コンクリートに穴を空ける振動ドリルドライバーではこんなにサイズが違います。
重さはと言うと、上記の場合は以下の通りです。
- ボッシュ 3.6V電動ドライバー:0.3kg
- マキタ 振動ドリルドライバー:1.6kg
重さの差がなんと5倍以上あります。
振動ドリルドライバーとインパクトドライバーの比較
右がマキタの14.4Vの振動ドリルドライバーです。
左はマキタの14.4Vのインパクトドライバーです。
基本的に振動ドリルドライバーはインパクトドライバーよりもサイズが一回り大きいです。
特にヘッド部が長いのが特徴です。
重さはと言うと
- マキタの14.4Vのインパクトドライバー:1.3kg
- マキタの14.4Vの振動ドリルドライバー:1.6kg
バッテリーは同じなので、本体の重さが300g違います。
見た目の差に比べたらそこまでの重量の差は無いように見えますね。
一般的に振動ドリルドライバーはインパクトドライバーよりも重量は重いです。
振動ドリルドライバーの使い方
振動ドリルには機能切替ダイヤルが付いています。
上の写真の金槌とネジとドリルの刃先のイラストが付いたダイヤルが「機能切替ダイヤル」です。
このダイヤルを回して機能を選んで使います。
機能には以下の3種類があります。
- 振動ドリルモード
- ネジ締めモード
- ドリルモード
それぞれの使い方を書きます。
振動ドリルモード
コンクリートやブロック、タイルなどに穴をあける時に使います。
上の写真はマキタの振動ドリルの機能切替ダイヤルです。
切替ダイヤルに「金槌」のようなマークがあるのが分かると思います。
このマークを中央の三角形に合わせると「振動ドリル」モードになります。
振動ドリルモードは通常のドリル機能に合わせて「槍で突くような動作」をします。
振動ドリルの場合は、1秒間に数万回という超音波的な細かいピストン運動です。
使用するのは「コンクリートドリルビット」です。
コンクリートドリルビットをセットして使えば、コンクリートブロックなどにズンズン穴を空けてくれます。
コンクリートを突き崩しながら掘り進めることが出来ます。
振動ドリル機能を動作音は「ビーン」という高い音です。
例えるなら「超音波歯ブラシのような音」がします。
注意ポイント
振動ドリルモードでは木工ドリルビットや鉄工ドリルビットは使えません。
木工用や鉄工用のドリルを使うとコンクリートには全然穴が開きません。
ドリル刃がダメになるだけです。
ネジ締めモード
通常のドリルドライバーと同じで、ネジ締めやコーススレッドビス(木ネジ)のビス打ちなどで使います。
ネジ締めモードでは締める力を20段階程度でセットできます。
締め過ぎを防ぐことが出来て便利です。
上記の写真のまま使えば、ネジ締めモードです。
ネジのマークに合わせると「ネジ締め」モードになります。
トルククラッチを使って締め付け力を20段階程度で調整できます。
決まった力でネジ締めを行えるので、締め過ぎを防げます。
自動で締め付けを止めてくれるので作業効率が良く、初心者でも同じ力で締めることが出来ます。
さらに締め終わりの反動が無いので、手首をひねって痛めるケガが減ります。
ドリルモード
木材や金属板などに穴をあける時に使います。
上記の写真の一番右に見えるドリルの刃先みたいな印を三角形に合わせればドリルモードになります。
ドリルモードではトルククラッチは効かないので、トリガーを引いただけ思いっきり回転してくれます。
振動ドリル用のコンクリートドリルビットの選び方
振動ドリルドライバーで使用するドリルビットの選び方を簡単に説明します。
ドリルビットを購入するときは気を付けることが3つあります。
- 1、軸の形と太さは?
- 2、何用のドリルか?
- 3、刃の太さ(穴の直径)は?
以下で詳しく説明します。
1、振動ドリルドライバーのスリーブの形状を確認する。
振動ドリルドライバーのスリーブは、ほとんどの場合以下のようなキーレスチャックスリーブだと思います。
上の写真は一般的なキーレスチャックスリーブです。
チャック能力は「1.5mm~13mm」です。
どれくらいの太さのドリル刃が使えるかは、その振動ドリルのチャック能力によって変わります。
一般的には太さ1.5mm~13mmのドリル刃が使えると思います。
細いドリル刃を固定する場合は下のような感じで先端部を回しながらツメを狭めます。
逆に、下のように目いっぱい開くと13mmの太さのドリル刃が装着できます。
キーレスチャックスリーブの場合は、装着できるドリル刃の種類は以下の通りです。
- 丸軸(1.5mm~10mmもしくは13mmまで)
- 六角軸 6.35mm(インパクトドライバーで使う六角軸ビット)
基本的には「ストレートシャンク」とか「丸軸」と呼ばれるタイプのドリル刃を買えば大丈夫です。
上記は13mmのドリル刃です。
コンクリートドリルビットを購入する際は、「ドリル刃の軸の太さ」と「チャック能力」を比較して、使用可能な太さの物を選びましょう。
2、振動ドリルドライバー本体の「穴あけ能力(石工)」を確認する。
一口に振動ドリルといっても、その能力には幅があります。
基本的には本体の電圧が高いほど能力も高くなります。
例えばマキタで言えば以下のような感じです。
【振動ドリルの「電圧」に対する「穴あけ能力」】
- プロ用 10.8V:直径8mmまで。
- DIY用 14.4V :直径10mmまで。
- プロ用 14.4V:直径13mmまで。
- プロ用 18V :直径16mmまで。
- プロ用 40V :直径20mmまで。
これから振動ドリルを買う方はこの「穴あけ能力(石工)」と「自分があけたい穴の大きさ」を比較して、希望に合った機種を買いましょう。
既に振動ドリルを持っている方は、その穴あけ能力の範囲でコンクリートドリルビットの刃の太さを選びましょう。
3、コンクリート用のドリルビット(石工用)を選ぶ。
ドリルビットの軸の形、太さ、刃の太さについては前述した通りです。
最後に気を付けるのは「コンクリート穴あけ用」のドリルビットを買う事です。
ドリルビットは大きく以下の3つがあります。
- 木工用
- 鉄工用
- 石工用
コンクリートなどの石材の穴あけを行う場合は、必ず「石工用」と書いてあるのドリル刃を選んでください。
コンクリートドリル刃は、木工用は鉄工用とは違います。
コンクリートドリルビットは刃先が特徴的です。
先端に硬くて角ばったチップが取り付けてあります。
以下はコンクリートドリルビットの刃先です。
「石工用ドリル刃」はだいたいこういう形です。
購入時の参考にしてください。
ちなみに木工用ドリルビットの刃先は以下のようになっています。
違いが分かると思います。
木工ドリル刃は鋭利です。
木工用や鉄工用のドリルビットをコンクリートの穴あけに使用するとすぐにダメになってしまいます。
少しぐらいの穴あけは出来るかもしれませんが、一発で刃がダメになりもったいないですよ。
コンクリートドリルビット おすすめ紹介!
石材に穴をあける時には「コンクリートドリル刃」を使用しなければなりません。
おすすめできそうなセットを紹介します。
振動ドリル初心者におすすめのコンクリートドリルビット
直径3mm~12mmのコンクリート用ドリルビットがセットになっています。
DIY用の振動ドリルや小型のプロ用震動ドリルは、コンクリートへの穴あけ能力は10mm~13mm程度です。
そういう意味では初心者が最初に買うのにはピッタリです。
コンクリートプラグも買っておこう。
コンクリートへの穴あけとセットで使うであろうコンクリートプラグ。
安いので少し勝手持っておけば、いざという時に役に立ちます。
ドリルの太さに応じて、その穴に打ち込むプラグも太さが変わります。
上記のプラグは「6×25」と書いてあるので、6mmのドリルビットで空けた穴に使えます。
振動ドリルと電動ドリルの違いとは?
「振動ドリル」とは「石材に穴あけが出来るドリル」の事です。
それに対して、
「電動ドリル」という言葉はちょっとあいまいな言い方です。
基本的にはドリルはどれも電動です。
充電バッテリー式のコードレスかAC電源に差し込むコード式かの違いはあります。
でもどちらも電気で動くので電動です。
ココでは
「電動ドリル」⇒「普通のドリルドライバー」
と考えて話をします。
「振動ドリルドライバー」と「普通のドリルドライバー」では何が違うのでしょうか?
次で書きます。
振動ドリルと普通のドリルの違いとは?
振動ドリルと普通のドリルって何が違うんでしょうか?
どこが違うのでしょうか?
なぜひつようなのでしょうか?
そういった方の為に以下のような点について説明しようと思います。
- 外観の違い
- 機能や動作の違い
- 用途の違い
- 使用するドリル刃の違い
外観の違い
具体的に比べてみましょう。
以下はマキタの18Vドリルドライバーです。
左)マキタ DF487DRGX(ドリルドライバー)
右)マキタ HP487DRGX(振動ドリルドライバー)
外観はほぼ同じに見えますよね。
でも微妙に違います。
モード切替ダイヤルの違い
1つめの違いはトリガー(引き金)の上にあるモード切替ダイヤルです。
左のドリルドライバーはトルククラッチダイヤルでモード切替が出来ます。。
右の振動ドリルドライバーは、トルククラッチダイヤルとは別に、もう一つモード切替ダイヤルが別についています。
振動ドリルモードの有無の違い
2つ目の違いは、振動ドリルモードの有無です。
振動ドリルモード(かなづちマーク)は右の振動ドリルドライバーにのみ付いています。
この金槌こそが「振動ドリル」機能の証です。
上の写真はマキタの振動ドリルドライバーの機能切替ダイヤルです。
写真ではネジ締めモードになっています。
ダイヤルを赤矢印の方向に回して、金槌マークを三角形に合わせれば振動ドリルモードになります。
見分け方は?
これはズバリ、「金槌マークがあるか?」です。
ドリルドライバーと振動ドリルドライバーを見極めるには振動機能を示す「金槌マーク」があるかないかを確認するのが一番わかりやすいです。
上の写真では、左端にトルク設定ダイヤルの手前に「ネジ」と「ドリル刃」と「金槌」のマークが見えると思います。
この金槌マークがあれば、それは普通のドリルドライバーではありません。
この金槌マークがあるドリルドライバーを見たら「振動ドリル」と思って良いでしょう。
でももし明らかにデカイ場合は「ハンマードリル」の可能性もあります。
ハンマードリルは振動ドリルの大型版です。
どちらもコンクリートに穴を空ける機能があります。
機能の違い
機能の違いは一つです。
ドリルドライバーは木材、金属の2種類しか穴あけが出来ません。
振動ドリルドライバーは木材、金属、石材の3種類の穴あけが出来ます。
振動ドリルドライバーの方が多機能という事になります。
なので以下のように考えて下さい。
「振動ドリル」 = 「振動機能付きドリル」
「ドリルドライバーに出来て、振動ドリルドライバーに出来ない作業」というものはありません。
振動ドリルドライバーは、ドリルドライバーの機能を含んでいて、さらに石材への穴あけが出来るのです。
動作の違い
「振動ドリル機能」は普通のドリル機能と動作が異なります。
どんな動作をするのでしょうか?
- ドリル機能 :ドリル刃を回転させる。木材や金属を削りながら進む。
- 振動ドリル機能:ドリル刃を回転させると同時に縦に細かくピストン運動をする。
振動ドリルドライバーは回転するだけでなく、超音波歯ブラシのような細かく速いスピードでピストン運動をします。
細かくヤリで突くようなイメージです。
それと同時に回転もします。
この「突く」機能があるおかげで堅い石材を砕いて穴を空けることが出来るのです。
通常のドリルドライバーでコンクリートに穴あけを試みるとどうなるか?
振動ドリルとドリルドライバー 【用途の違い!】
簡単に言えば以下の通りです。
ドリルドライバーの用途は?(一般的なドリル)
通常よく売られている「ドリルドライバー」の用途は以下の通りです。
- ネジ締め
- 木材への穴あけ
- 金属への穴あけ
上の写真は18Vのドリルドライバーで木材に穴を空けているところです。
長いドリル刃を使って、木材を貫通するような穴を空けています。
上の写真は同じく18Vのドリルドライバーで「座繰り」と呼ばれるボルトの頭が出っ張らないようにするための穴を空けています。
こちらは貫通させる穴ではないです。
上の写真は18Vのドリルドライバーで金属に穴を空けているところです。
36V、18V、14.4Vなど大型のドリルドライバーは主に大工仕事でよく使われます。
上の写真は電圧10.8Vの中型ドリルドライバーです。
写真では家具の組み立て時のネジ締めを行っています。
ドリルドライバーは穴あけ以外にもネジ締めや家具の組み立てなどにオールマイティに使えます。
直径20cmくらいの大きな穴があけられるのは、この10.8Vのドリルドライバーくらいまでです。
上の写真は電圧7.2Vのペン型ドリルドライバーです。
こちらは主な用途はネジ締めです。
その他、直径10mm以下の細い穴(下穴など)をあけることが出来ます。
こちらは同じドリルドライバーでもかなり軽いのでお手軽に使えます。
振動ドリルの用途は?
振動ドリルの主な用途は、
コンクリートなどの石材に穴を空ける
です。
さらに振動ドリルはドリルドライバーと同じ作業がこなせます。
振動ドリルはスイッチを切り替える事で「ドリルドライバー」として使うか「振動ドリル」として使うかを選ぶことが出来ます。
機能切替ダイヤルを金槌マークに合わせれば「振動機能」が付加されます。
ネジ締めモードや穴あけモードでは「振動機能」がOFFになり、一般的なドリルドライバーとして使えます。
なので木材や金属への穴あけ、ネジ締めなどの用途にも使えます。
振動ドリルドライバーが1台あれば、一般的なドリルドライバーは必要なくなります。
コンクリートに穴を空ける目的としては、
コンクリートに何かを固定する。
という目的が多いでしょう。
コンクリートに穴を空けてコンクリートプラグを打ち込むことでビスが使用できます。
木材と同じようにビスでコンクリートにいろんなものを固定することが出来るのです。
サイズと重さの違い
但し見た目の通り、振動ドリルドライバーの方が、ヘッド部分がちょっと大きく(長く)なります。
重さについては振動ドリルの方が普通のドリルドライバーよりも100g程度重い場合が多いです。
但し、個別に使う分には体感できるほどの違いではないと思います。
使用するドリル刃の違い!
ドリル刃には大きくいくつかの種類があります。
- 木工用ドリル刃:木材への穴あけに使うドリル刃。
- 鉄工用ドリル刃:金属への穴あけに使うドリル刃。
- 石工用ドリル刃:コンクリート、タイル、レンガ等の石材への穴あけに使うドリル刃。
ドリルドライバーと振動ドリルドライバーでは以下のように使い分ける事になります。
- 一般的なドリルドライバー:木工用ドリル刃。鉄工用ドリル刃。
- 振動ドリルドライバー :木工用ドリル刃。鉄工用ドリル刃。石工用ドリル刃。
木工ドリル刃
木工用ドリル刃は、刃物に近い鋭い刃を持っています。
木材は柔らかいので、少し押してやればどんどん食い込んで穴をあけてくれます。
鉄工ドリル刃
鉄工用ドリル刃は、木工用程の鋭利さはないですが、しっかりと厚目ながらエッジが効いています。
金属を削り取りながら穴を空けます。
石工ドリル刃
石工用ドリル刃は他の2種類とはかなり異なります。
石材相手でも刃が負けないように先端に超硬チップが埋め込まれています。
さらに振動ドリルで突き崩すような形で掘り進めるため、他のドリル刃に比べて刃は鋭利ではありません。
コンクリートや石にあたっても負けない頑丈で刃で、角が立っています。
振動ドリル機能のないドリルでコンクリートに穴あけが出来るか?
コンクリートへの穴あけはには「振動ドリル」が必要です。
でも手元には「ドリルドライバー」しかない方もいると思います。
では一般的なドリルドライバー(振動機能なし)でコンクリートへの穴あけは出来るのでしょうか?
結論から言えば「出来ない事はない」。でもやめた方が良い!
振動機能が無い「ドリルドライバー」でコンクリートなどに穴を空けるのは、振動ドリルの10倍の労力が必要です。
そしてコスパも悪いです。
なので、コンクリートへの穴あけには「振動ドリルドライバー」を使う事を強くお勧めします。
3mmの小さな穴だったら可能。でも大変な労力が必要!
振動ドリルを使わずに普通のドリルドライバーでコンクリートに穴を空けるのは至難の業です。
モルタルであればまだいいですが、コンクリート相手となるとかなり絶望的な戦いになります。
おそらく直径3mmくらいが限界でしょう。
1つもしくは2つくらいの穴あけならかろうじて可能でしょう。
ドリルドライバーを穴に向かって押し付けながらひたすら回転させて、ちょっとずつ掘り進むことになります。
作業は長時間に及ぶので、相当疲れます。
コンクリートドリルビットはすぐダメになる。
振動ドリル機能が無いドリルドライバーでコンクリートに穴を空けると、コンクリートドリルビットは熱で激熱になります。
先端についている硬いチップも摩耗しすぐダメになると思います。
コンクリートドリルビットにとっては非常にコスパの悪い使い方です。
ドリルドライバー本体への過剰な負荷がかかり壊れやすい。
振動ドリルのようにドリル刃が食い込んでいかないので、ドリルドライバーを穴に押さえつけて穴を空けることになります。
ドリルドライバーにもかなり負荷がかかります。
ドリルドライバー本体の寿命も短くなるでしょう。
安物のドリルドライバーならその場で壊れるかもしれません。
マキタのプロ用ドリルドライバーなど、回転スピードが速くトルクもあるドリルドライバーならある程度作業できます。
でも、本体の寿命は短くなると思います。
「振動ドリルドライバー」と「振動ドリル」の違いとは?
「振動ドリル」と「振動ドリルドライバー」は、どちらも同じ意味で使われる事が多いです。
ですがあえて呼び分けるとしたら以下のような分け方が出来るでしょう。
「振動ドリルドライバー」はネジ締めやビス打ちにも使える!コンパクトで片手持ちが多い。
マキタ 震動ドライバドリル(ハンドル無し)
マキタ 震動ドライバドリル(ハンドル付き)
片手持ち出来て、ネジ締めやビス打ちにも使える振動ドリルの事を「振動ドリルドライバー」と呼びます。
トリガーがあるグリップ部分は通常のドリルドライバーと同じです。
ドリルドライバーに振動ドリル機能を付加したようなものです。
ネジ締め & コンクリートへの穴あけ
この両方に使用したい方にオススメです。
「ドライバー」という言葉が「ネジ締め」を意味していると考えればわかりやすいですね。
通常のドリルドライバー同様にトルククラッチが付いています。
弱い力で繊細なネジ締めを行うことが出来ます。
片手にネジやビス持っても作業できるように、ドリルドライバー同様に片手持ちの出来るようになっています。
両手持ち用のハンドルが付いている場合は穴あけ時にしっかり両手持ちする事も出来ます。
チャック部分が「キーレスチャック」である場合が多いです。
トルククラッチとの兼ね合いでそうなっているのかもしれません。
「振動ドリル」は回転スピードが速く穴あけに特化!ネジ締めやビス打ちは出来ない!
完全な両手持ちの振動ドリルは「振動ドリル」と呼ばれます。
HiKOKI(ハイコーキ) 36V コードレス振動ドリル DV3620DA(2XP)
ハンドルが縦方向にガッツリついている両手持ちタイプです。
上記のハイコーキの振動ドリルはトリガーがあるグリップが「D型ハンドル」と呼ばれています。
「振動ドリルドライバー」に比べてドリル刃をコンクリートに押し付けやすいので、コンクリートへの穴あけがラクに出来ます。
逆に「振動ドリルドライバー」と異なり、ネジ締めなどのドリルドライバーとしての作業はできません。
穴あけ専門(特にコンクリート!)です。
「ネジ締め用のドリルドライバーは別に持っている!」
「とにかくコンクリートへの穴あけをラクに効率よくやりたい!」
そんな方にオススメです。
バランス的に片手で持つことを想定していないような形をしています。
片手に木ネジなどをもってあてがうという作業をしないので、穴あけ作業に特化した形に作られています。
ネジ締めに使わないので、締め付けトルクを調整する「トルククラッチ」がありません。
またドリル刃を装着するチャック部分が金属製のキー付きチャック式である場合が多いです。
これも穴あけに特化したチャックという事でしょう。
キー付きドリルチャックとは
キー付きドリルチャックはドリル刃を装着する時にいちいちキーを差し込んで回して緩めたり締めたりする必要があります。
作業は面倒ですが、キーありドリルチャックの方がドリル刃をしっかり固定することが出来ます。
また金属製のチャックの方が耐久性が高く壊れにくいです。
上記の見分け方が絶対ではないと思いますが、大体あっていると思います。
「振動ドリル」も「振動ドリルドライバー」もコンクリート穴あけの能力はほぼ同じ。
「振動ドリル」でも「振動ドリルドライバー」でも、コンクリートへあけられる穴の直径は最大20mm程度です。
使用するドリルビットも同じものです。
ネジ締めに使えるかどうかの違いはありますが、振動ドリル機能に関してはどちらが上とは言い切れません。
両手持ちの振動ドリルやACコードタイプの振動ドリルの方がハイパワーだと思いがちですが、実際はそうでもないです。
今はバッテリー式の片手持ちタイプでもパワフルな機種もあります。
振動ドリルを購入するときは「振動ドリル」なのか「振動ドリルドライバー」なのかを気にするのではなく、「石工穴あけ能力」や「最大締め付けトルク」で判断しましょう。
その能力は大体「バッテリー電圧」に比例します。
コンクリートに大きな穴をあけたい場合は36Vや40Vなどの高電圧バッテリーを使用する振動ドリル(振動ドリルドライバー)を選ぶといいでしょう。
但しコンクリートへの穴あけに限定すれば、ガッツリ両手持ちの「振動ドリル」の方が作業効率は良いと思われいます。
振動ドリルドライバー レビュー 「マキタ HP470D」
購入したのは「マキタの充電式振動ドライバドリル 14.4V HP470D」です。
私の場合は、14.4Vのインパクトドライバー「TD137DRMX」購入時にバッテリー2個と充電器が付属していたので、振動ドリルは本体のみ購入しました。
本体のみだと1/3位の値段で買えますから、経済的ですよ。
通常はドリルモードで使用して、コンクリート相手の時には振動ドリルモードに切り替えて使えます。
一台あると超便利です。
振動ドリルドライバーでコンクリートに「大きな穴」をあけることは出来るか?
コンクリートに穴を空ける電動工具は、振動ドリルドライバーだけではありません。
コンクリートの穴あけ用電動工具の中では「振動ドリルドライバー」は小型の部類です。
コンクリートブロックにあけられる穴の直径は
18V振動ドリルドライバーであっても、直径10mmくらいまでの穴あけが限界でしょう。
分かりやすく言えば、親指の太さ位の穴しかあけられません。
逆に言えば、コンクリートプラグを打ち込んでボルトで何かを固定するのであればこれくらいの直径の穴があれば十分です。
両手持ちで使う大型の振動ドリルなら2直径20mmまでの穴あけが出来るものもあります。
もっと大きい穴を空けるなら「ハンマドリル」が必要。
もっと大きな穴をあけたいのであれば「振動ドリル」では無理です。
さらに大型の「ハンマドリル」を準備する必要があります。
ハンマドリルなら振動ドリルよりもっと大きな直径の穴があけられます。
大型のハンマドリルなら直径30mm~50mmの穴あけもできます。
また本格的なコンクリートへの穴あけは、振動ドリルよりもハンマドリルの方がかなり効率が良いです。
⇒ ハンマドリル
振動ドリルドライバーで「コンクリートを砕く」ことは出来るか?
振動ドリルはコンクリートに穴を空けられるんだから、コンクリートを砕いて撤去したりできるんじゃないかと思う方も多いと思います。
では振動ドリルでコンクリートを砕く事は可能なのでしょうか?
振動ドリルドライバーではコンクリートを砕くことはできない。
残念ながら、振動ドリルドライバーではコンクリートを砕くことはできません。
「コンクリートが脆くて、結果的に砕ける」という事はあるかもしれません。
でもしっかり固まっているコンクリートを振動ドリルの「振動で砕く」という事はムリです。
両手持ちの大型の振動ドライバーであっても無理です。
「振動機能」は回転しながら穴を空けるための機能です。
縦の振動が発生しますが、超音波的な微細な震動です。
コンクリートを砕くような強い衝撃は与えることが出来ません。
コンクリートを砕くには、せめてハンマドリルが必要になります。
ハンマドリルでもコンクリートを砕くのは大変。
ハンマドリルの回転を止めて「ハンマモード」にすればコンクリートを砕くことは可能です。
ドリル刃ではなくハツリ用の金属ヘラのような先端工具を装着して「ハツリ」を行うことになります。
チゼルと言う先端工具です。
とはいえハンマドリルはハンマ機能とドリル機能の兼用の工具です。
ガンガン砕けるかというとそうでもありません。
ガッツリコンクリートを砕くとなると「ハンマドリル」ではなくて「ハンマ」が必要になります。
コンクリートを砕くには「ハンマ」が最適。
一般的にはハツリという作業に使われるのは「ハンマ」です。
先端にとがった先端工具を付けてコンクリートに突き刺すようにして豪快に砕いていく電動工具です。
ブルポイントと呼ばれる先端工具でガンガン破壊していきます。
ハンマは回転して掘るわけではなく、完全にヤリのように打撃でコンクリートに突き刺しながら壊していくものです。
個人で使う方はなかなかいないでしょう。
⇒ ハンマ
振動ドリルドライバー おすすめ機種
マキタ(Makita) HP484DRGX 18V プロ用 震動ドライバドリル
プロ用の定番モデルと言えばこれでしょう。
⇒ マキタ(Makita) 充電式震動ドリル HP484DRGX (18V 6.0Ah)
石工用ドリル刃で直径13mmの穴を空ける能力があります。
なぜ高価なプロ用をすすめるのか?
振動ドリルを使うような方なら、いろんな他の電動工具も使われると思います。
マキタのプロ用電動工具は、18Vバッテリーや充電器を500モデル以上の電動工具と共通で使えます。
なのでDIYモデルの振動ドリルドライバーを買うよりもプロ用を買った方がコスパも良いです。
既にマキタのプロモデルの18Vバッテリーを持っている方は、振動ドリルドライバーの本体だけを買うとかなり安いです。
⇒ マキタ(Makita) 充電式震動ドリル HP484DRGX (18V 6.0Ah) 本体のみ
普通のドリルドライバーとしても使えるので、とても汎用性が高いです。
まだインパクトドライバーもドリルドライバーも持っていない方にもおすすめです。
トルクが60N・mもあるので、ある程度インパクトドライバー代わりとしてビス打ちに使うことも可能です。
マキタ(Makita) M850DSX 14.4V DIY用 震動ドライバドリル
コンクリートへの穴あけ能力は直径10mm程度で良い。
プロ用は高くて買えない!
DIYモデルで十分だ!
そんな方には以下のモデルがおすすめです。
⇒ マキタ(Makita) M850DSX 14.4V DIY用 震動ドライバドリル
価格はプロ用の半額以下で売られています。
その代わりプロモデルと共通でバッテリーや充電器を使うことはできません。
DIYモデルには18Vタイプもあるのですが、14.4Vシリーズの方がいくらかバッテリー互換機種が多いのでこちらをおすすめしてみました。
まとめ
振動ドリルドライバー(振動ドリル)はコンクリートなどの石材に細い穴をあける時に使う電動工具です。
とはいえDIYで個人が使う工具としては十分だと思います。
コンクリート面やブロック面、タイル面に何かを設置したい時には震動ドリルドライバー必要になります。
自宅のリフォームをDIYでやるような方には特におすすめです。