みなさんはインパクトと振動ドリルの違い分かりますか?。
「インパクトドライバー」
「振動ドリルドライバー」
活字で見ると確かに似てる気がしますが、実際は・・・。
インパクトドライバーと振動ドリルドライバー 名前の呼び方の違い!
インパクトドライバー
電動工具界で「インパクト」といえば「インパクトドライバー」の事です。
インパクトドライバーには呼び方の呼び方にバリエーションはあまりありません。
「インパクト」または「インパクトドライバー」のどちらかで呼ばれます。
電圧の強さが変わるくらいです。
機能もシンプルなので混同されることも少ないと思います。
スイッチ類も少なく、高級機になればかなりコンパクトです。
どこへ行っても「インパクト」といえば「インパクトドライバー」の事を指します。
インパクトドライバーの事を「電動ドライバー」とあいまいに呼ぶ人はいません。
またインパクトの事を「振動ドライバー」と呼ぶような書き込みを見たことがあります。
でも、実際にはそんな呼び方はしません。
お店でも「インパクト欲しいんですけど!」といえば伝わります。
振動ドリルドライバー
マキタ 震動ドライバドリル(ハンドル無し)
マキタ 震動ドライバドリル(ハンドル付き)
ピストル型の片手でも両手でも使える中型機までは、基本的には「振動ドリルドライバー」と呼ばれます。
とはいえ深く考えずに「振動ドリル」と呼ばれる場合もあります。
マキタでは何と呼ぶ?
ちなみにマキタでは「震動ドライバドリル」と呼びます。
「振動ドリルドライバー」と同じ意味で使われています。
※振動と震動では本来の意味は違うと思いますが・・・。
「ドライバドリル」も「ドリルドライバー」と同じ意味です。
インパクトドライバーと振動ドリル 外観・形状・重さなどの違い!
実際の外観写真です。
見た目の違いは結構あります。
インパクトと振動ドリルドライバーの外観の違い!
左がインパクトドライバー。
右が振動ドリル。
実物を並べて写真を撮っています。
どちらもプロ用14.4Vです。
外観が結構違いますよね?
明らかに振動ドリルの方がサイズが大きいです。
ヘッド部の長さは振動ドリルの方がインパクトの2倍近く長いですね。
ヘッド部の形状が違う!振動ドリルはキーレスチャック!
振動ドリルの船体はキーレスチャックスリーブになっています。
インパクトはビットスリーブ。
振動ドリルにはトルククラッチとモード切替が付いている!
振動ドリルには数字の書いたダイヤルがついていますね。
これは「トルククラッチダイヤル」です。
さらにその下にはネジの絵が付いたダイヤルもあります。
これは「ドリルモード切替ダイヤル」です。
逆にインパクトドライバーには何ひとつダイヤルが付いていません。
重さの違いは?
これも写真から想像できると思います。
- インパクトドライバー:1.3kg
- 振動ドリルドライバー:1.6kg
なので振動ドリルの方が重いです。
同じメーカーの同じ電圧で比べれば、基本的にはインパクトドライバーよりドリルドライバーや振動ドリルドライバーの方が重いです。
インパクトと振動ドリル 用途や機能の違い!
ネジを締める。
穴をあける。
この辺はある程度まではどちらでもできます。
しかしやはり専門分野が違います。
- インパクト:「ネジを締める機械」
- 振動ドリル:「穴をあける機械」
こう考えればわかりやすいと思います。
インパクトドライバー
ちょっと見ただけではわかりずらいかもしれません。
でも全く違うといってもいいくらい異なります。
【インパクトの機能】
⇒ 回転方向に打撃を与えながら強烈に「締める」のが専門です。
「ダダダダダッ!」と細かい打撃音と振動がします。
インパクトドライバーの専門分野はコーススレッドを使った大工仕事です。
インパクトレンチの専門分野は大きなボルトの締め付けです。
振動ドリルドライバー
振動ドリルドライバーは石材やコンクリートへの穴あけに使います。
通常のドリルドライバーやインパクトドライバーに「振動ドリルドライバーの代わり」はできません。
振動ドリル機能が付いた製品は、必ず商品名に「振動」もしくは「震動」というワード入っています。
(※マキタの4モードインパクトドライバー等の例外もあるが・・・)
超細かいピストン運動+高速回転」で石やコンクリートに「穴をあける!」のが専門です。
「掘る」といっても良いかもしれませんね。
インパクトドライバーとは全然打撃の方向が違います。
そして、インパクトドライバーよりももっと高速に打撃します。
「ビーーン!」という超音波の電動歯ブラシみたいな音がします。
振動ドリルドライバーは、スイッチで「振動あり」と「振動なし」の切り替えも出来ます。
「振動ドリルモード」ではなくドリルモードやネジ締めモードを使えば、通常のドリルドライバーとしても使えます。
上記のダイヤル部分のネジマークの隣に「金槌マーク」がありますよね。
ダイヤルをこの金槌マークに合わせれば振動機能が動作して「振動ドリル」として使えます。
この切り替えダイヤルは、通常のドリルドライバーにはありません。
ちなみにダイヤルの数字はクラッチ機能の設定ダイヤルです。
締め付け力の調整ができます。
1と2の前後スライドスイッチは、回転モードの切り替えです。
- 1は低速回転だけどパワフル。
- 2は高速回転だけどパワーは落ちる。
振動ドリル
振動ドリルは、振動ドリルドライバーを大型化したものと思って良いです。
電圧も大きくなり、コンクリートにあけられる穴の直径も大きくなります。
また、片手持ちではなくガッツリ両手で持つタイプです。
振動ドリルよりもっとパワフルな電動工具もある。
コンクリートやレンガ・タイルなどに穴あけをできるのは以下の製品です。
これらは全部振動ドリルドライバーと同じように、突き崩すような動作をします。
細かく分けると以下のような感じかと思います。
- 振動ドリルドライバー(直径10mmくらいまでの小さい穴あけ用)
- 振動ドリル(直径20mmくらいまでの中くらいの穴あけ用)
- ハンマドリル(直径50mmくらいまでの大きい穴あけ用)
- ハンマ(ハツリに使う、とがった先端で突き崩していくような機械。ドリルではない。)
ハンマドリルはドリルの要素も残しながらハツリもできます。
簡単に言えば「コンクリートを砕いて壊す」「タイルを壊して剥がす」みたいなことです。
ハンマに関しては回転せずに打撃だけでコンクリートを砕く機械です。
似てるが全然違う!「インパクト機能」と「振動機能」!
インパクトドライバーの打撃は、ナットや木ネジを締める方向へ回転させる打撃です。
縦方向の振動ではなく、横(回転)方向への打撃です。
船の船長が「面舵いっぱーい!」っと言いながら舵を回すような感じです。
舵が回らなくなると、ハンマーで回転方向に舵を叩いて回すって感じでしょうか?
振動ドリルは、穴の中を槍で細かく突きながら回転させて掘っていくようなイメージです。
突き崩しながら回転で掘っていくわけです。
この縦の打撃がないと、回転の摩擦でドリル刃がダメになるだけで硬い石材に穴をあける事は難しいです。
振動ドリルドライバーの代わりにインパクトドライバーが使えるか?
手元にインパクトドライバーしかない。
そこでこう考える人がいるかもしれません。
「振動ドリルの代わりに、インパクトドライバーでコンクリートに穴を開けよう!」
インパクトドライバーでコンクリートに穴あけはできるか?
基本的にはインパクトでタイルやコンクリート、ブロックなどの石材に穴をあける事は出来ません。
※振動ドリルの代わりはできない。
但し、モルタルなどの柔らかい石工に穴をあけるだけだったら、インパクトでも可能です。
先端工具をドリル刃に変えればできます。
しかし、コンクリートなどの硬い石材への穴あけは出来ません。
特にコンクリートは砂利が入っていますので、砂利に当たると「石に穴を空ける」という作業になります。
「インパクトドライバー」や「通常のドリルドライバー」は回転するだけのドリルでは歯が立ちません。
回転速度を上げても、摩擦熱でドリル刃が熱々に焼けて、刃がダメになるだけです。
※やけどに注意!
基本的に石材への穴あけは、「振動ドリル」です。
さらに大きな穴をあける場合は振動ドリルよりも強力な「ハンマドリル」を使いましょう。
インパクトや普通のドリルを、石材の穴あけに使って壊れたら・・・ショックがデカいですよ~。
振動ドリルはコンクリートに最大で直径20mmの穴を空けられる。
「振動ドリルドライバー」よりもさらに大型の電動工具としては「ハンマドリル」があります。
コンクリートにより大きな穴をあけたいのであればハンマドリルを選びましょう。
しかし「ハンマドリル」は専用のビットを使います。
ドリルドライバーで使うような丸軸のドリル刃が使えなかったり、ネジ締めに使えなかったりします。
ハンマドリルは回転しない打撃のみのモードがあったり、打撃も強かったりと「振動ドリル」よりもコンクリート作業に特化した別の電動工具です。
振動ドリルはドリルドライバーとハンマドリルの両方の機能を「いいとこどり」しているのが魅力です。
そのあたりをよく考えて振動ドリルかハンマドリルかを選びましょう。
まとめ
インパクトドライバーと振動ドリルは別物です。
プロの方にとってはどちらも必須の電動工具です。
またDIYであってもコンクリートへの穴あけには振動ドリルドライバーは必須でしょう。
特に外壁や水回りのタイル、エクステリア周りのコンクリートなどにネジで何かを固定する場合などは必須です。
用途も仕組みもかなり異なるので、両方持っているに越したことはないでしょう。
マキタや日立工機(現在はHi-KOKI)の振動ドリルを買っておけば10年程度は使えますよ。
ぜひ1台持ってみたらいかがでしょうか?
「インパクトドライバー」や「普通のドリルドライバー」には絶対にできな作業が可能になります。
持っているか持っていないかの差はデカイです。
ちなみに、私が使っているのはマキタの14.4Vの震動ドライバドリル「HP470DRMX」です。
この震動ドライバドリルだと、コンクリートに13mmの穴をあけることが出来ます。
最新機種はバッテリー容量も5.0Ahと少し大きくなっています。
今から買う人へ!個人的なアドバイスです。
ちょっと偉そうにアドバイスしてみます。
「そうは思わない!」という方は聞き流してもらっても大丈夫ですよ。
電圧について
振動ドリルを買うなら、14.4V以上の電圧じゃないとパワーが足りないと思います。
個人的には18Vの方がおすすめです。
マキタの18Vバッテリーを使う工具は100種類以上あります。
さらに18V+18Vで36Vとして使う電動工具もあります。
なので18Vのバッテリーは互換性が高く、他の工具との共用だ可能です。
ハンドルについて
もし私が新たに買うのであれば、下記のようなハンドルが付けられるタイプを買うと思います。
震動ドリルはある程度押し付けながら使うので、両手で持った方が作業効率が高いです。
上記のアドバイスを併せて考えたら「18Vでハンドル付きの震動ドリル」がおすすめです。
2022年時点でオススメなのは以下のモデルです。
「HP486DRGX」です。
コンクリートに直径16mmの穴を空けることが出来ます。
18Vなのでパワーもあるし、バッテリーも6.0Ahで大容量です。
さらにコンクリートブロックへの穴あけ能力は16mmと、私の持っている前述の震動ドリルよりさらに大きな穴があけられます。
「震動ドリル」か「ハンマドリル」のどっちが良いかの選択について
震動ドリルの用途
- たまにブロックやタイルに数個の穴をあける。
- 鉛筆や大人の人差し指くらいの太さの穴をあけたい。
これくらいの用途なら「震動ドリル」で大丈夫です。
しかし、コンクリートにあけたい穴が大きかったり作業効率を考えると変わってきます。
- 石材への穴あけ頻度が多い。
- 作業効率を上げて早く穴あけをしたい。
- 大人の親指くらいの太さの穴をあけたい。
- 1円玉くらいの直径(20mm)以上の穴をあけたい
- 太いボルトを通せるような穴をあけたい!
- ブロックやコンクリートを壊す作業に使いたい。
こんな方は振動ドリルでは力不足です。
なので、最初から「ハンマドリル」を買う事をお勧めします。
おすすめはの「マキタ ハンマドリル HR166DRGX」(6.0Ahタイプ)などの型番が「HR」で始まるハンマドリルです。
下記はHR166DRMX(4.0Ahタイプ)
上記の「HR166D」はコンクリートに16mmの穴があけられるハンマドリルです。
穴あけ能力では前述の震動ドリル「HP458DRMX」と同じに見えますが、その作業効率は全然違います。
なので頻繁にコンクリートへの穴あけ作業をするならハンマドリルが良いと思います。
さらに、
「HR202DRFX」などのHR202Dなら、コンクリートに直径20mmの穴(一円玉の大きさと同じ直径)があけられます。
「HR244DRGX」にいたっては、コンクリートに直径24mmの穴(10円玉よりわずかに大きい直径)があけられます。
マキタ18V6.0Ah18V充電SDSプラスハンマドリルHR244DRGXB黒
震動ドリルとハンマドリル。
響きが違うので別物だと思う方も多いと思います。
ですが、振動ドリルって案外小さい穴しかあけられないので、ハンマドリルも視野に入れて選んだ方が良いと思います。
以上、個人的なアドバイスでした。