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草刈機・刈払機

草刈りのコツ ラクに短時間で効率よく節約もできる賢い草刈りとは?

夏のうだるような暑さの中での草刈り作業、本当にお疲れ様です。

広大な敷地や田んぼのあぜ道を、重い刈り払い機を背負って歩くのは骨が折れますよね。

作業の疲労だけでなく、年々上がっていく燃料代や、すぐにダメになる替刃のコスト。

さらには、どれだけ草を刈っても減らないカメムシ被害にお悩みの方も多いはずです。

先日、農家さんの体験談などを読む機会があり、草刈りについてのさまざまな文献を自分なりに調査してみました。

それらの情報を総合的にまとめてみると、私たちが当たり前だと思っていた草刈りの常識を覆す、驚くべき事実が見えてきたのです。

本記事では、時間もお金も節約しつつ、害虫被害まで減らしてしまう魔法のような草刈りのコツをお伝えします。

1. 草刈りはもっと頭を使ってやろう!

1-1. 綺麗すぎる草刈りは疲労の元凶です

草刈りといえば、地面の土が見えるくらいまで根こそぎ短く刈るのが当然だと思っていませんか。 確かに、丸刈りにされた地面を見ると、仕事をしたという強い達成感を感じるものです。

しかし、その達成感の裏で、私たちは自らの体と時間、そしてお金を大きくすり減らしています。

地面スレスレを狙って刈り払い機を振るためには、常に手元に神経を集中させなければなりません。 少しでも刃が下がれば地面に激突し、弾いた小石が足に当たって痛い思いをすることになります。 この緊張感と物理的な衝撃の積み重ねが、草刈り後の泥のような疲労感を生み出しているのです。

1-2. 失敗から学んだベテラン農家さんの気づき

先日読んだあるミカン農家さんの体験談では、かつては土が見えるまで徹底的に刈り上げていたそうです。 男性には負けたくないという強い思いや、持ち前の几帳面な性格がそうさせていたと言います。 しかし、勢い余ってスプリンクラーの管を叩き切ってしまったり、防風ネットのワイヤーを切断してしまったり。 さらに、端に寄せておいた大切なマルチシートを傷つけるなど、数々の失敗を経験したそうです。 そんなある日、ご主人からのある助言がきっかけで、ハッと気づかされたと言います。 「 低く刈るのは、見た目を気にしすぎる人の気休めにすぎない 」 草刈りは作物を育てる環境整備であって、地面を綺麗に見せることが目的ではないのです。 さらに、雨が降った時に表層の豊かで良い泥が流されてしまうという、最悪の弊害にも気づいたそうです。 少し頭を切り替えて、見た目よりも効率と安全性を重視した草刈りへとシフトしていきましょう。

2. 草刈りとカメムシの関係

2-1. 農家を悩ませるカメムシの脅威

草刈りの話をしているのに、なぜ突然カメムシが出てくるのかと不思議に思われたかもしれません。 実はお米作りや野菜作りにおいて、草刈りのやり方とカメムシの発生には密接な関係があるのです。 カスミカメムシなどの斑点米カメムシ類は、お米の品質を大きく下げる最大の天敵です。 お米に穂が出る時期になると、カメムシが飛んできて、柔らかいお米の汁を吸います。 吸われた部分は黒い斑点になり、等級が下がって大きく値崩れを起こしてしまいます。

2-2. 有機栽培農家さんを苦しめた斑点米

島根県で有機栽培のお米作りをしている農家さんの文献を読んでいて、非常に印象的なエピソードがありました。 その方は無農薬栽培に切り替えた直後の三年間、カメムシの被害が特にひどくて本当に苦労されたそうです。 せっかく無農薬で育てたお米なのに、斑点米を取り除くために高価な色彩選別機が毎年欠かせない状況でした。 そもそもカメムシたちは、田んぼの中に最初から住み着いているわけではありません。 彼らは普段、田んぼの周りのあぜ道や農道に生い茂る雑草の中で生活し、繁殖しています。 つまり、田んぼの周囲の雑草環境こそが、カメムシたちの巨大な生産工場になっているのです。 だからこそ、彼らの住みかである雑草をどう管理するかが非常に重要になってきます。

3. どの草を刈って、どの草を残すのか?

3-1. カメムシが愛してやまないイネ科の雑草

カメムシ対策を考える上で、絶対に知っておかなければならない重要な事実があります。 それは、カメムシはどんな雑草でも手当たり次第に食べるわけではない、ということです。 彼らが主食とし、好んで住みかにするのは、メヒシバやエノコログサなどのイネ科の雑草です。 ツンツンと背が高く伸びて、風に揺れているような細長い葉っぱの草をイメージしてください。 これらのイネ科雑草が豊富にある場所は、カメムシにとって絶好の繁殖地となります。

初心者の方向けに、どの草を刈ってどの草を残すべきか、具体的な名前を表にまとめました。

分類代表的な草の名前特徴と対策
刈るべきイネ科メヒシバ、
エノコログサ(ネコジャラシ)、
スズメノヒエ、チガヤ、ヌカボ
背が高く伸びる。
カメムシの大好物なので減らす
残すべき広葉雑草ジシバリ、チドメグサ、
クローバー、カタバミ
背が低く地面を覆う。
カメムシが嫌うので残す

3-2. 背の高いイネ科を減らし広葉雑草を増やすべし

一方で、クローバーやカタバミといった広葉雑草が生い茂る場所には、カメムシのエサがありません。 つまり、賢い草刈りの最大の目的はここに行き着きます。 「 背の高いイネ科を減らし、広葉雑草を増やすべし 」 ということです。 すべての草を一律に敵とみなして排除するのではなく、カメムシの嫌いな草だけを意図的に残すのです。 このように、植物の種類を選別してコントロールすることこそが、次世代の草刈りの極意なのです。

4. 根こそぎ刈る「地刈り」は、イネ科が増える!

ここで

の事を言う言葉です。

4-1. 生長点の位置が勝敗を分ける

それでは、なぜ従来の根こそぎ刈る草刈り、いわゆる地刈りがダメなのでしょうか。 その答えは、植物が細胞分裂をして伸びていくポイントである生長点の位置に隠されています。 ある大学の先生が書かれた詳しい解説を読んでいて、私は目から鱗が落ちる思いがしました。 実は、カメムシが大好きなイネ科雑草は、この生長点が土のすぐ近く、株の根元にあるのです。 そのため、地面ギリギリの高さで刃を滑らせて地刈りをしても、生長点には全く傷がつきません。 葉っぱを切られたイネ科雑草は、根元に残った生長点から、すぐさま新しい葉を上に押し上げるように伸ばし始めます。

4-2. 芝生を刈り込むのと同じ現象が起こる

先生の解説によれば、これはイネ科植物である芝生を刈り込むのと同じ原理だそうです。 芝生は短く刈り込むほど、他の雑草が排除されてかえって旺盛に育っていきますよね。 あぜ道の草刈りでも全く同じ現象が起きており、地刈りをするとイネ科ばかりが元気に生き残ってしまうのです。 一方で、カメムシが嫌いな広葉雑草の生長点は、比較的高い位置にあります。 地刈りをしてしまうと、この広葉雑草の大切な生長点は容赦なく切り落とされてしまいます。 結果として、ライバルがいなくなった地面で、イネ科雑草だけが爆発的に復活します。 地刈りとは、実はカメムシのための専用レストランを建設する作業に他ならなかったのです。

5. 広葉雑草は残し、イネ科にだけダメージを与える!

実践に入る前に、植物の生長点の違いによる刈り方のコツを一覧表で再確認しましょう。

前述の表と被りますが、「雑草にだって名前があるんだ!」という名言もありますから、代表的な草の名前をもう一度書いておきます。

分類代表的な草の名前生長点の位置と
刈り方のコツ
ダメージを与えたいイネ科メヒシバ、エノコログサ、
スズメノヒエ、チガヤ、ヌカボ
根元にあるため、
高く刈って葉だけを落とす
守りたいグラウンドカバージシバリ、チドメグサ、
クローバー、カタバミ、
シロツメクサ
高い位置にあるため、
高く刈って生長点を残す

5-1. 比較実験が証明した高刈りの絶大な効果

地刈りの恐ろしいメカニズムが分かれば、私たちが取るべき行動は一つしかありません。

広葉雑草の生長点を守りながら、イネ科雑草の光合成を阻害して弱らせる刈り方をすることです。

そこで登場するのが、

というアプローチです。

※この「高刈り」は基本的には畦畔とよばれるような田んぼのあぜ道の草刈りなどで意識される事が多いです。

先ほど紹介した大学の先生は、六人の農家さんに協力してもらって比較実験を行っています。

ふつうに地際で刈った場合と、少し高めに刈った場合の変化をデータで比較したのです。

その結果、驚くべきことに六人全員のあぜ道で、イネ科雑草の割合が目に見えて減少しました。

それに伴って、そこに潜んでいたカメムシの数も確実に少なくなったという実証結果が出ています。

5-2. 植物同士を競争させるという発想

高く刈ると、背の低い広葉雑草は刃の下をすり抜け、ほぼ無傷で生き残ります。 先生の解説によると、広葉植物は先端の葉を少し切られて摘心されると、不思議な変化を起こします。 上へ伸びるのをやめて、わき芽を出して横へ横へと元気に枝を広げるようになるのです。 一方で、背高く伸びようとしていたイネ科雑草は、上のほうの葉をバッサリと切り落とされます。 私たちが無理に根こそぎ刈り取らなくても、残された広葉雑草がイネ科雑草の成長を邪魔してくれるのです。 植物同士の自然な生存競争を利用して、自分に有利な環境を作り上げていく賢い戦略ですよね。

6. 広葉雑草が繁殖すれば、イネ科は減っていく

6-1. 消費者も驚くあぜ道のお花畑

高く刈る方法を何度か繰り返していくと、目に見えて地面の景色が変わってきます。 北海道でお米の産直に取り組んでいる農家さんの文献を読んでいて、とても素敵なエピソードを見つけました。 その方は、田んぼの周りの草刈り機を、地面から五センチの高さに設定して使い始めたそうです。 すると翌年には植生がガラリと変わり、あぜ道がクローバーだらけになったと言います。 産直のお米を買いに来た消費者の方が、田んぼを見てこんな風に驚いたそうです。 「 お宅の田んぼだけ、まわりがお花畑みたいですね 」 生き残った広葉雑草たちが、地面に張り付くようにしてびっしりと繁殖してくれたおかげです。 これが、いわゆる緑のじゅうたんと呼ばれる、理想的なグラウンドカバーの完成です。

6-2. イネ科の種が発芽できない環境づくり

広葉雑草の葉っぱが地面を覆い尽くすと、土の表面には日光が全く届かなくなります。 この日陰効果が、イネ科雑草に対して強力なストッパーとして機能するのです。 イネ科の種が発芽しようとしても、分厚いじゅうたんに阻まれて太陽の光を浴びられません。 広葉雑草を意図的に繁殖させることは、天然の除草シートを敷き詰めているのと同じ効果があります。 しかも、人工のシートと違って破れる心配もなく、雨が降っても土が流されるのを防いでくれます。 一度この環境を作ってしまえば、以後の草刈りの手間は嘘のように激減していくのです。

7. 広葉雑草が繁殖すれば、カメムシの天敵などの益中が増える

7-1. あぜ道は小さな生態系である

広葉雑草が豊かに茂る緑のじゅうたんには、もう一つの素晴らしい恩恵があります。 それは、害虫を退治してくれる強力な助っ人たちが、たくさん集まってくるということです。

地刈りで土がむき出しになった不毛な土地には、生き物が身を隠す場所がありません。

しかし、適度に草が残された環境は、小動物や昆虫にとって居心地の良い家になります。 そこには、私たちの農作物を守ってくれる、頼もしい仲間たちの姿があります。

7-2. クモやカエルがカメムシを退治する

高く刈って草を残したあぜ道には、アシナガグモなどの大切なすみかが守られます。 特にクモは、カメムシなどの害虫を次々と捕食してくれる頼もしい味方です。 「 カエルやクモが増える。特にクモはカメムシを食べてくれる! 」 カエルもまた、害虫をぱくりと食べてくれる大切な益虫の一つです。 私たちが草を根こそぎ刈ってしまうと、彼らの住みかを奪い、最悪の場合は刃で傷つけてしまいます。 広葉雑草を残すことは、無償で働いてくれる優秀なガードマンを雇うようなものなのです。 自然の生態系を味方につけることで、農薬に頼らない安全で安心な農業が実現に近づきますよね。

8. カメムシが減れば、みんなに良いことがある

8-1. 農家の収入アップと労働環境の改善

草刈りの工夫によってカメムシを減らし、天敵を増やすプロセスがうまく回り出すとどうなるでしょうか。 まず何よりも、農家さんの日々の努力がしっかりと数字に表れるようになります。 斑点米による格落ちがなくなれば、一等米として高い価格で出荷できるお米の比率が跳ね上がります。 「 コメの収量が増える! 」 そして、不要な農薬散布の手間とコストが削減され、利益率はさらに大きく向上します。 農家さんはしっかり儲かるようになり、来年に向けてのモチベーションも大きく高まるはずです。

8-2. 消費者にも嬉しいお米価格の安定

カメムシ被害が減少し、良質なお米が安定してたくさん収穫できるようになれば、市場全体の供給量が増えます。 廃棄されたり、飼料用などに回されたりしていたお米が減り、食卓に並ぶ美味しいお米が増えるのです。 供給が安定すれば、スーパーに並ぶお米の価格も落ち着きを見せます。 「 日本のコメ価格が下がる!農家は儲かる! 」 まさに、農家にとっても消費者にとっても、そして環境にとっても良いことずくめのサイクルです。

比較項目地刈り高刈り
イネ科雑草の量生長点が残り爆発的に増える葉を切られて徐々に減少する
広葉雑草の量生長点を切られ枯れてしまう生き残り緑のじゅうたんになる
カメムシの数エサとなるイネ科が増え大繁殖エサがなくなり寄り付かない
クモやカエル住みかを奪われいなくなる住みかが守られどんどん増える
お米の品質斑点米が増えて等級が下がる被害が減り一等米の比率が上がる
経済的な影響収入減と農薬代で負担増収量増とコスト減で利益アップ

このように比較してみると、私たちが選ぶべき道はすでに明確ですよね。

9. 高刈りはどうやれば良いの?

では実際に高刈りはどのように行えばよいのでしょうか。

一言で高刈りといっても、どれくらいの高さで切るかは人によって色々と違ったりします。

一応具体的な数値は出しますが、要点としては

「地面に葉を拡げて生えている広葉雑草は刈らずに、背の高いイネ科の雑草だけ刈れる高さ!」

と考えれば良いと思います。

具体的には以下の通り。

9-1. 草の頭を優しくなでるような感覚で

基本となるのは、地面から五センチから十センチほどの高さをキープして刈り進めるという方法です。 ある島根県の農家さんの体験談では、地面から十五センチの高さを目標にしているそうです。 地面に這いつくばるように生えている小さな広葉雑草の頭を、優しくなでるような感覚で刈るのがポイントです。 また、福島県の農家さんの事例では、雑草を三十センチ以上長く伸ばしてから刈るというコツも紹介されていました。 長く伸ばしてから刈ると、刈った後の草が分厚く地面を覆って日陰を作ってくれます。 その結果、下から新しい草が生えにくくなり、刈った後がスカスカになって管理がしやすくなるそうです。

9-2. 見た目の達成感よりも実利を取る

高刈りを始めるにあたって、最初はどうしても乗り越えなければならない壁があります。 それは、草が残っていることに対する見た目の違和感と、綺麗に刈り取った達成感の欠如です。 今まで土が見えるまで綺麗に刈っていた人からすると、なんだか刈り残しがあるようでスッキリしないかもしれません。 しかし、高刈りは見た目をきれいにする作業ではなく、植物と対話しながら環境をコントロールする作業です。 あるベテラン農家さんが奥様に伝えた、 「 低く刈るのは、見た目を気にしすぎる人の気休めにすぎない 」 という言葉には非常に重みがありますよね。 見た目の達成感を手放すことで、圧倒的なラクさと実利を手に入れることができるのです。

10. 但し、イネ科雑草を刈ってはいけない時期がある!

10-1. カメムシを引き留めるイネ科雑草

高刈りが素晴らしいとはいえ、いつでも好きな時に刈っていいというわけではありません。 カメムシは、あぜ道に生えているイネ科雑草の穂や汁が大好物です。 そのため、あえて草をそのまま残しておくことで、カメムシをあぜ道に引き留めることができます。 無農薬でお米を育てている島根県の農家さんの事例では、七月以降は管理道以外の草刈りを控えているそうです。 草を残してカメムシの居場所を作り、田んぼに向かわせないという高度なテクニックですね。

10-2. 出穂時前後に刈るとカメムシが押し寄せる!

特に注意しなければならないのが、お米に穂が出る出穂期の草刈りです。 もし、お米の穂が出るのと同じ時期に、あぜ道のイネ科雑草を刈ってしまったらどうなるでしょうか。 住みかとエサを同時に奪われたカメムシたちは、パニックになって一斉に田んぼの中へ逃げ込んでしまいます。 良かれと思ってやった草刈りが、カメムシを田んぼに追い込み、被害を爆発させる引き金になってしまうのです。 ある研究資料によると、草刈りは出穂の一ヶ月前と、その二、三週間後に済ませるのが理想的だとされています。 出穂の前後五週間から六週間にわたって、雑草の穂がない状態を作っておくことが鉄則なのです。

11. 高刈りでどれくらい作業時間が減るか?地刈りよりも効率アップ!

11-1. 行きも帰りも刈れるからスピードは二倍

高刈りを実践すると、作業にかかる時間が驚くほど短縮されます。 その最大の理由は、草の上のほうの柔らかくて抵抗の少ない部分だけを刈り取っていくからです。 通常の地刈りでは、刈り払い機を右から左へ振る時にだけ草を刈り、右へ戻す時は空振りさせますよね。 しかし高刈りなら、抵抗がほとんどないため、本来はやってはいけない右に戻す動きでもスムーズに草が刈れてしまいます。 行きも帰りも両方の動きで草を刈り進めることができるため、作業効率は単純計算で今までの二倍になります。

11-2. あっという間に終わる魔法の草刈り

実際に高刈りを導入した方の体験談を読むと、そのスピード感に驚かされます。 福島県の農家さんの事例では、なんと百メートルもある長いあぜ道の草刈りが、十分もかからずに終わってしまうそうです。 また島根県の事例でも、地際刈りと比べて五メートル進むのに二十秒も早く刈れたという記録がありました。 これまでの重労働は一体何だったのかと、拍子抜けしてしまうほどの速さですよね。 作業時間が短縮されれば、夏の炎天下での熱中症リスクも減り、体力的にも精神的にも大きなゆとりが生まれます。

12. 高刈りなら低出力低回転で刈れる!疲れない!危険も減る!

12-1. エンジン全開はもう必要ありません

草刈り機を使う時、無意識のうちにエンジンの回転数を上げて、フルスロットルで作業していませんか。 太い茎や地面の抵抗に負けないようにするためには、どうしても強いパワーが必要になります。 しかし、草の柔らかい上部だけを狙う高刈りであれば、そんなハイパワーは全く必要ありません。 福島県の事例では、十二インチの少し大きめのチップソーを使い、回転速度をゆっくりに設定して刈っているそうです。 回転を落としても遠心力がしっかりと働くため、スパスパと気持ちよく草を刈り取ることができると言います。

12-2. 小石が飛んでこないという絶大な安心感

そして何より、高刈りは作業の安全性を飛躍的に高めてくれます。 地刈りをしていると、刃が隠れた石を弾き飛ばし、足や顔に当たって痛い思いをすることがよくあります。 誤ってスプリンクラーの管を切ってしまったり、防風ネットのワイヤーを切断して青ざめたりした経験もあるでしょう。 しかし高刈りは、刃が空中で回転しているため、小石や土を巻き込む危険がほとんどありません。 「 飛んでくる石に神経使いながら、わざわざ地際をねらって刈る必要はねえ 」 という福島県の農家さんの言葉通り、常に気を張る緊張感から解放されるのです。

13. 高刈りで、ガソリンや電池が減らない!刃が摩耗しない!お金も節約出来る!

13-1. 燃費が劇的に向上しコストダウン

作業時間が半減し、さらに低回転でエンジンを回せるとなれば、当然ながら燃料の消費量も大幅に減ります。 福島県の事例では、作業を早く終わらせることで、今まで使っていた燃料が半分で済むようになったそうです。 また、草の密度が低い部分を刈るため、エンジンへの負荷も軽くなり、機械自体も驚くほど長持ちします。 排気ガスによる環境への負荷も軽減されるため、自然にもお財布にも優しい草刈りが実現できます。 バッテリー式の草刈り機を使っている場合でも、電池の減りが遅くなり、途中で充電待ちをするストレスが減りますよね。

13-2. 刃が摩耗しない驚きの事実

草刈りにかかるコストの中で、意外とバカにならないのが替刃の出費です。 土や石にガンガン当てながら刈っていると、高価な刃もあっという間に丸くなり、切れ味が落ちてしまいます。 熊本県のミカン農家さんのご夫婦のエピソードが、この違いを非常にわかりやすく物語っていました。 高く刈るご主人が一枚の刃を使っている間に、低く刈る奥様はすでに三枚も四枚も刃をダメにしていたそうです。 低く刈ることは、刃の摩耗を三倍も早めてしまうという事実には本当に驚かされますよね。 高刈りをマスターすれば、替刃にかかる費用を大幅に節約することができます。

14. 高刈りに便利な「ジズライザーハイ50」刃を浮かせてくれる

農業関連の方ならみなさんご存じかもしれませんが、高刈りと相性がいい人気商品を紹介します。

もう商品の説明書きに「高刈り補助」って書いてありますね。

14-1. 誰でも簡単に一定の高さをキープ

ずっと刃を空中に浮かせておくのは腕が疲れそうだと心配になる方もいるかもしれません。 自分の腕の力だけで五センチから十センチの高さをキープし続けるのは、慣れないと少しコツがいります。 そんな時に強力な味方になってくれるのが、高刈り専用の便利アイテムです。 島根県の農家さんが愛用しているのが、 「 ジズライザーハイ50 」 という、お椀の形をした安定板です。 これを草刈り機の刃の裏側にボルト一つで取り付けるだけで、初心者でも簡単に完璧な高刈りができるようになります。

14-2. 地面を滑らせるだけでスイスイ刈れる

この安定板は直径が十五センチ、高さが五センチあり、重さも百八十グラムと軽量に作られています。 そのまま地面にポンと置くだけで、理想的な五センチの高刈りポジションがピタッと決まります。 あとは、お椀の丸みを利用して、地面の上をスイスイと滑らせるように動かすだけです。 腕の力で機械を持ち上げ続ける必要がないため、肩や腰への負担が驚くほど軽くなります。 また、物理的に刃が地面につかない構造になっているため、うっかり小石を跳ね飛ばしてしまう危険も防いでくれます。 少しの投資で手に入るアイテムですが、その後の労力軽減を考えれば、非常に賢い選択と言えるでしょう。

15. 高刈りなら八枚刃で十分!さらに経済的!

15-1. 高価なチップソーにこだわる必要なし

近年は、よく切れて石に当たってもチップが飛びにくい、高価なチップソーを使うのが主流になっています。 しかし、高刈りの環境下では、刃にかかる負担が極めて少ないため、必ずしも最高級の刃を選ぶ必要はありません。 昔ながらの安価な八枚刃といった金属刃でも、十分すぎるほどのパフォーマンスを発揮してくれます。 先ほど紹介した熊本県のご主人も、かつては八枚刃を愛用して見事に草を高く刈り上げていたそうです。

15-2. 刃を育てながら長く使う喜び

金属刃は価格が安いうえに、グラインダーやヤスリで自分で簡単に研ぎ直すことができるというメリットがあります。 青森県の農家さんの事例では、グラインダーを五十度くらいの角度で当てて刃を研いでいるそうです。 刃を寝かせすぎず、五十度の角度で研ぐことで刃先が丸くなりにくく、切れ味が長く続くと言います。 少し切れ味が落ちてきたなと思ったら、サッと研ぎ直すだけで見事に復活し、最低でも二年は使えるそうです。 一つの道具を自分で手入れしながら大切に長く使っていくのは、経済的であり、とても素晴らしいことですよね。

16. まとめ

16-1. 綺麗に地刈りするのは実は非効率で非経済的

これまで、草刈りの常識を覆すテクニックと、その驚くべき効果について解説してきました。 綺麗に土が見えるまで地刈りをすることは、一見すると仕事熱心に見えます。 しかし、カメムシを増やし、機械を消耗させ、自分の体を痛めつけるだけの非効率で非経済的な作業でした。 記事の後半で解説したメリットを、改めて一覧表で振り返ってみましょう。

比較項目従来の地刈り賢い高刈り
作業の疲労度常に気を張り、
腕や腰が激しく疲れる
低出力で滑らせるため、
驚くほどラク
作業スピード右から左への
片道しか刈れず遅い
往復で刈れるため、
約2倍の速さになる
燃料とコスト刃の摩耗が激しく、
燃料も多く消費する
刃が長持ちし、
燃料代も大幅に節約できる
害虫への影響イネ科雑草を増やし、
カメムシを呼び込む
イネ科を抑え、
カメムシを遠ざける
生態系への影響カエルやクモの
住みかを奪い、傷つける
益虫の住みかを守り、
天然の味方をつくる

16-2. 地球環境にも優しいサステナビリティのある草刈りを!

これからの草刈りは、ただ雑草を敵として排除するだけの単純な作業ではありません。

島根県の農家さんのように、高刈りとアップルミントの植栽を組み合わせることで、カメムシを遠ざけることもできます。

田んぼのあぜ道じゃなくても、高刈りは有用です。

本来そんなに頑張って刈り取らなくても良い(刈り取らない方が良い)草があるんです。

カバープランツとなる広葉雑草を大切に育て、緑のじゅうたんで地面を守りましょう。

そして、害虫であるカメムシの習性を知り、天敵であるクモやカエルなどの益虫と共存する環境を整えるのです。

自然の力と対話しながら、植物の生態系を自分たちに有利な方向へと導いていく。

そんなサステナビリティのある草刈りこそが、豊かな環境を作り、私たちの労力を救ってくれます。

次回の草刈りでは、ぜひ足元の小さな草たちの声に耳を傾けながら、ラクで楽しい高刈りを実践してみてくださいね。

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